2001 Fiscal Year Annual Research Report
モンキー同種腎移植における経門脈骨髄移植併用の有用性に関する研究
Project/Area Number |
12877257
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
川喜田 睦司 関西医科大学, 医学部, 助教授 (50252458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 進 関西医科大学, 医学部, 教授 (90108986)
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
土井 浩 関西医科大学, 医学部, 助手 (60227692)
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Keywords | 腎移植 / 骨髄移植 / 免疫寛容 / モンキー |
Research Abstract |
前年度には,カニクイザル(体重4-6kg)を使用した腎移植の術式確立を報告した.reactive MLC donor-recipient pairsを選び3組で同種腎移植術を行った.ドナーから腎動脈に大動脈の一部をつけて摘除した腎を灌流液にて洗浄した後,右腎摘除術を行ったレシピエントの大動脈,下大静脈に腎動脈,腎静脈を端側吻合し,尿管は膀胱に吻合した.3例とも7日目以内に急性腎不全で死亡した。その時のクレアチニン値は8.6,18.4,12.3mg/dlまで上昇していた.病理学的に移植腎にはリンパ球浸潤が認められた. これとは別にマウスの実験から,骨髄の経門脈移植よりも骨髄内移植の方が高率に免疫寛容を誘導する結果が得られた.そこで,サルにおいてこの骨髄内移植の有用性を調べた.6Gyの全身照射では骨髄の生着が得られなかったため照射量を10Gyまでdoseをあげて行ったところ,高度の骨髄抑制のため菌血症で死亡した. 今年度は,移植骨髄の生着をはかるため前処置のプロトコールを確立すべく実験した。骨髄抑制による易感染性のためクリーンルームを増設し,ガウンの着用,抗生剤の投与など感染予防を行った。移植前日の全身照射10Gyを分割照射とし,さらに2日前にフルデラビン投与を追加した。これまで25組で,照射のみ,フルデラビンのみ,照射とフルデラビンなど種々のプロトコールの組合せを行った。移植後のDNAタイピングではレシピエントの骨髄がドナーの骨髄に置き換わることは確認できたが,骨髄抑制のため最長17日までの生存しかえられていない。
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