2000 Fiscal Year Annual Research Report
AFPレクチン結合性分画比の胎児染色体異常症診断への応用
Project/Area Number |
12877258
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤本 征一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60001898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 和彦 北海道大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40214085)
山本 律 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00220509)
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Keywords | アルファフェトプロテイン / 生化学的マーカー / 糖鎖 / ダウン症候群 / レンズ豆レクチン |
Research Abstract |
1989〜1998年の間において胎児21トリソミーと診断された妊婦(胎児21トリソミー群)18例と、染色体核型が正常と診断された妊婦(ハイリスク正常群)50例から、母体血清および羊水を採取した。また特別な異常を認めなかった妊婦(正常コントロール群)20例から、母体血清を採取した。胎児21トリソミー群およびハイリスク正常群は、年齢においてそれぞれ正常コントロール群と比較し有意に高齢であったが、検査時における妊娠週数には差を認めなかった。胎児21トリソミー群、ハイリスク正常群、正常コントロール群の母体血清AFPの中央値はそれぞれ34.5、48.0および39.0ng/ml、母体血清AFP MoMはそれぞれ0.75、0.95および0.98、また母体血清AFP L3分画の中央値は41.4、34.8および32.2%であった。胎児21トリソミー群、ハイリスク正常群の羊水AFPの中央値は10868.9および14598.0ng/ml、また羊水AFP L3分画の中央値は49.2および41.5%であった。胎児21トリソミー群とハイリスク正常群との間には、母体血清AFP値・母体血清AFP MoM・羊水AFP値・母体血清AFP L3分画・羊水AFP L3分画に有意差を認めた。さらに胎児21トリソミー群と正常コントロール群との間には、母体血清AFP L3分画においても有意差を認めた。ハイリスク正常群および正常コントロール群の2群においては、母体血清AFP値、および母体血清AFP L3分画に有意差を認めなかった。ROC曲線における母体血清AFP MoMおよびAFP L3分画のAUCは、それぞれ0.700および0.835とAFP L3分画に大きい傾向が認められたものの、有意差を認めなかった。以上のことより妊娠のsecond trimesterにおいて母体血清AFP L3分画を分析することが胎児21トリソミー妊娠と正常妊娠とを臨床的に区別しうる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山本律: "母体血・羊水中のAFP分画-胎児21トリソミーについての検討-"産婦人科の世界. 52(10). 31-36 (2000)
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[Publications] Ritsu Yamamoto: "Alpha-fetoprotein microheterogeneity : A potential biochemical marker for Down's syndrome"Clin.Chim.Acta. 304. 137-141 (2001)
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[Publications] Seiichiro Fujimoto: "Clinical application of serum alpha-fetoprotein microheterogeneity"Hokkaido University Medical Library. 78 (2001)