2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮内膜間質細胞の浸潤モデルを用いた子宮内膜症の進展機序の解析
Project/Area Number |
12877261
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 壽宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283614)
井上 卓也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90283598)
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Keywords | 子宮内膜症 / 子宮内膜間質細胞 / 浸潤機構 / 単クローン抗体 / 子宮内膜基底層 |
Research Abstract |
本研究は正常子宮内膜間質細胞を解析し、これより子宮内膜症の進展機構解明についてのヒントを得ることをその目的としており、具体的にはこれまで報告してきた単クローン抗体作成法による発現物質の解析やinvasion assayを応用して作製したヒト子宮内膜間質細胞の浸潤モデルの系などを用いて計画された。 本研究の結果、子宮内膜腺細胞に対する単クローン抗体が10種類と間質細胞に対する抗体が2種類作成することに成功した。現在それらの抗体が認識する抗原の精製を進めているが、抗原の中には、子宮内膜の機能層と基底層とで発現が異なる物質が数種類含まれている。これらの物質は子宮内膜症の組織でも発現様式が異なることより、機能層の異常が子宮内膜症の進展に関与する可能性が考えられた。また子宮内膜間質細胞のinvasion assayを用いた検討では、子宮内膜間質細胞の細胞表面に存在する抗原を認識する抗体12-23が子宮内膜間質細胞の浸潤を亢進することが見いだされ、この物質が子宮内膜症の病状進展過程で想定される子宮内膜間質細胞の浸潤機構に深く関わっていると推察された。さらにプロテアーゼ阻害剤が子宮内膜間質細胞の浸潤を抑制することも実証され、これらの薬剤が新たな子宮内膜症の治療薬として使用できる方向性が示された。 以上の結果は子宮内膜間質細胞の浸潤制御機構や子宮内膜症の進展機序について新たな知見とと将来の新しい治療法への展望を提示するものとして重要な所見であると評価できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tatsumi K et al.: "Expression of Ly-6A/E in the mouse uterus during implantation period"Mol Reprod Dev. 58・2. 159-165 (2001)
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[Publications] Hattori N et al.: "Epoxide hydrolase affects estrogen production in the human ovary"Endocrinology. 141・9. 3353-3365 (2000)
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[Publications] Park KR et al.: "Anti-CD9 monoclonal antibody-stimulated invasion of endometrial cancer cell lines in vitro"Mol Hum Reprod. 6・8. 719-725 (2000)
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[Publications] Tatsami K et.al.: "Induction of tryptophan 2,3-dioxygenase in the mouse endometrium during implantation"Biochem Biophys Res Commun. 274・1. 166-170 (2000)
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[Publications] Park KR et al.: "CD9 is expressed on human endometrial epithelial cells in association with integrin α6, α3 and β1"Mol Hum Reprod. 6・3. 252-257 (2000)