2000 Fiscal Year Annual Research Report
外有毛細胞のmotilityにより発生する力の計測
Project/Area Number |
12877267
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 路子 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30323041)
池田 勝久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70159614)
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Keywords | 外有毛細胞 / 力発生メカニズム / 伸縮運動 / 拘束力 |
Research Abstract |
ヒトの聴覚は鋭敏な判別機能を有する.この機能は,聴覚の感覚細胞である外有毛細胞(Outer Hair Cell:OHC)のmotility,すなわち可動性に基づく,内耳蝸牛の増幅機構により達成されていると考えられている.これまで,増幅機構解明にあたり,単離した外有毛細胞の可動性計測に関する研究は多く行われてきた.しかし,実際には細胞は生体内で拘束された状態にあると考えられており,拘束された細胞の伸縮運動,さらにはそれに伴い発生する力は不明である.そこで本研究では,拘束された単離外有毛細胞が発生する変位および力を計測するシステムを以下のように構築した. 1.微小電極製作装置を用いガラス管を引き伸ばすことにより,外有毛細胞が発生する力計測用プローブを作製した.さらに,既知のスティフネスを有するプローブと作製したプローブの先端を互いに合わせて力を負荷し,その際のたわみ量を比較することにより,作製した力計測用プローブのスティフネスを求めた. 2.力計測用プローブをナノメートル・オーダで駆動するために,圧電アクチュエータを用いてプローブ駆動用マニピュレータを作製した.作製したマニピュレータを用いることにより,プローブ先端を,最小数100ナノメートルで位置決めすることができ,さらに100pN程度の力を細胞に負荷することが可能である. 現在は構築した計測装置を用い,外有毛細胞に拘束力を負荷した際,細胞の伸縮運動および発生する力の計測を試みている.
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