2000 Fiscal Year Annual Research Report
DNAチップを用いた癌関連遺伝子の変化に関する研究
Project/Area Number |
12877269
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
勝野 哲 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (30313852)
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Keywords | 頭頚部腫瘍 / 癌関連遺伝子 / DNAチップ |
Research Abstract |
頭頚部腫瘍における癌関連遺伝子の発現の増減をDNAチップ(マイクロアレイ)を用いて検出することを目的に本研究を企図した。まず今年度はサンプリングの方法や技術的に問題がないかどうかを主な研究目標とし、代表的な頭頚部腫瘍症例に関して解析検討した。手術によって得られた5-10mm角の腫瘍組織と正常組織を液体窒素にて凍結、ホモジナイズ、mRNA抽出、cDNAに変換後、Takara社製Cancer chipを用いハイブリダイズさせ蛍光強度を比較することで遺伝子発現の増減を検討した。解析用のソフトウエアーはImagene4.0を用いた。今回、約500の癌関連遺伝子に関して癌細胞と正常細胞で比較検討し、癌組織でupregulateあるいはdownregulateしている遺伝子群を明らかにした。その結果、個々の症例で差が認められたもののcytokeratinなどの特定のいくつかの遺伝子をマーカーにすれば悪性、良性の違いが明らかに認められることが確認された。また耳下腺腫瘍に関しては悪性腫瘍と良性腫瘍との比較を試みた結果、遺伝子学的にも差異があることが明らかとなった。次年度は組織型、分化度による特徴を明らかにするとともに、臨床的な特徴(各癌細胞の進行速度、転移の有無)との比較検討を試みる予定である。また最適な治療を選択するためにその頭頚部腫瘍の放射線感受性、抗癌剤感受性あるいは予後との相関性などを検討する予定である。
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