2000 Fiscal Year Annual Research Report
マウス網膜光障害モデルにおける神経細胞死の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
12877276
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
風間 淳 信州大学, 医学部・付属病院, 助手 (80273093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋木 宏人 信州大学, 医学部・付属病院, 助手 (70313864)
春日 勇三 信州大学, 医学部, 助手 (10313850)
菊池 孝信 信州大学, 機器分析センター, 助教授 (50177797)
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Keywords | 網膜光障害 / アポトーシス / caspase / TUNEL法 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
散瞳した8-10週齢の黒色マウス(C57BL/6)に白色蛍光灯を20000ルクス、2時間照射した。光照射後12,24,48時間のそれぞれでマウス眼球摘出・固定し、その網膜の光学顕微鏡観察用のパラフィン切片を作成した。 作成した標本において、TUNEL法(Gavrieli et al.J.C.B.1992)による染色を加え、アポトーシスを起こしている細胞を検出した。光照射12時間後から網膜視細胞層にTUNEL陽性細胞が見られ、そのピークは24時間後であった。48時間後には網膜内層にも陽性細胞が見られ、網膜光障害では網膜の外層から内層へとアポトーシスが進行することが示された。 同様に作成した標本においてアポトーシス関連遺伝子として知られるcaspaseファミリー(caspase 1、3、9)の発現を免疫組織化学的に検討した。抗caspase-1抗体陽性細胞は光照射12、24時間後の視細胞層に見られた。抗caspase-3抗体陽性細胞は光照射24、48時間後にそれぞれ視細胞層の約29.5%、22.5%に認められた。抗caspase-9抗体では光照射24時間後には視細胞のほぼ100%で陽性となった。 Western blotting法を行ったところ、caspase-1(ICE)のp20サブユニットのバンドが光照射12、24、48時間後に認められた。caspase-3のp20サブユニットに対するバンドは48時間後のみでみられた。 経時的に摘出した網膜からタンパクを抽出し、網膜光障害におけるcaspaseファミリーの酵素活性を合成ペプチド基質を用いて測定したところ、光照射24時間後に照射前の1.4倍に上昇していた。また、48時間後には1.1倍まで低下していた。 これらの結果から、光照射によってマウス網膜内のcaspase1活性が上昇することが示された。
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