2000 Fiscal Year Annual Research Report
横隔膜ヘルニアラットモデルにおける肺低形成と神経支配からみた発生機序
Project/Area Number |
12877282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
須貝 道博 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70206390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棟方 博文 弘前大学, 医学部・附属病院, 教授 (80113835)
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Keywords | 横隔膜ヘルニア / nitrofen / 肺低形成 / 神経支配 |
Research Abstract |
先天性横隔膜ヘルニアラット(以下CDHラット)誘発実験モデルを用いて肺低形成の発生機序を実証すべく神経病理学的検討を加えた。最初、まずSDラットを用い、誘発実験モデルを作製した。方法は雌雄のSDラットを交配させ雌の膣栓を確認できた時を妊娠0日とし、妊娠9.5日目に100mgのnitrofenをオリーブ油に溶解し、胃内に強制投与した。満期22日でエーテル麻酔下に帝王切開し、胎仔を無呼吸のまま回収し、実体顕微鏡下に胎仔肺を摘出した。CDHラットモデルを1)CDHラット誘発モデル、2)非CDHラット誘発モデル、3)妊娠9.5日目にオリーブ油だけを強制投与したものに分類して検討した。約20%に左横隔膜ヘルニア、右横隔膜ヘルニア、5%に両側横隔膜ヘルニアがみられた。3群のラットに対し、肺を摘出し、実体顕微鏡下に10%緩衝ホルマリンにて気管よりInflationし、固定した。固定標本をパラフィン包埋し、主気管支にそった連続切片を作製し、一般染色としてH-E、シュワン細胞同定用にS-100、血管作動性神経同定用にNPY、神経線維同定用にCGRPの各染色を行った。3)の対照群では肺は肺胞管、肺胞腔とも拡張し、隔壁は比較的薄くなっていた。1)のヘルニア形成群では患側肺は肺胞管、肺胞腔とも小さく発育が不良で、壁は立方上皮細胞が密集しており隔壁は厚かった。S-100では肺門部の比較的太い気管支周囲に神経束分布が認められ、1)群でも観察された。しかし肺胞レベルでは同定できなかった。NPYは気管支周囲、肺胞周囲ともに同定されず、染色技術に工夫が必要と考えられた。興奮性NANC神経であるCGRPは比較的太い気管支周囲に認められたが1)と3)との有意差は今後sample数の蓄積が必要と考えられた。気管支平滑筋の拡張作用を有する抑制性NANC神経であるNOついては現在染色同定中である。
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