2001 Fiscal Year Annual Research Report
癌の遺伝子治療用Epstein-Barrウイルスベクター開発の基礎的研究。
Project/Area Number |
12877292
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 家吉 九州大学, 大学院・歯学研究院, 講師 (40243951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 拡 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (70238971)
坂井 英隆 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (80136499)
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Keywords | 口腔癌 / 胃癌 / Epstein-Barrウイルス / polymerase chain reaction(PCR) / southern blotting / エレクトロポレーション / ウイルスベクター / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
1.口腔癌培養細胞株における野生型Epstein-Barrウイルス(wEBV)の遺伝子発現パターンの検索: 口腔癌におけるEBウイルスベクターの設計のため、現在報告されているBリンパ球に関するEBVの感染メカニズムを基に設計した。しかしながら、胃癌細胞へ組換えEBV(rEBV)の導入実験でrEBVが産生されている報告があり、口腔癌細胞へ導入したrEBVも感染能力を獲得する可能性が否定できない(Imaiet al. Jouranl of Virology Vol. 72 No.5 p. 4371-4378,1998)。従って、この実験系を確立するには、物理的封じ込めレベル3(P3)環境下で予備実験をしなければならない。当施設にはP3の実験室がないため、残念ながらrEBVからwEBVへ実験対照を変更せざる負えなくなった。EBウイルスベクター開発の基礎研究としては支障を来さないが、導入細胞をクローニングする為、限界希釈法をしなければならなかった。ウイルス上清直接接種法と改良型エレクトロポレーションによる導入法による実験で、導入72時間後、我々が樹立した口腔癌細胞株(sMISK)と口腔および舌粘膜の扁平上癌由来の細胞株(HSC-2)はいずれも約80%の培養細胞がalive cellである事が確認できた。さらに、限界希釈法によりクローニング細胞を得て、sMISKとこの親株であるMISK81-5ならびにHSC-2,HSC-3,HSC-4および胃癌の培養細胞株であるMKN74におけるウイルスの遺伝子発現パターンを検索している。 2.口腔癌細胞の生物学的特性の変化を蛋白レベルで網羅的検索: 今後、EBV感染した口腔癌細胞株において発現するEBV蛋白の相互作用を検索する事により、EBV感染口腔癌細胞のglutathione S-transferase(GST)タグを用いたEBV発現因子のパートナー蛋白を検出する。2次元電気泳動で展開後、MALDITOF-MS(Protein TOF : Bruker)、アミノ酸シーケンサー、ネット上のデータベースなどによりそれぞれの因子のパートナー蛋白を同定する。これにより、EBV感染前後の口腔癌細胞の生物学的特性の変化を網羅的に捉える。
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Research Products
(1 results)