2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877297
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中田 稔 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40014013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 隆 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (10264053)
平田 雅人 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60136471)
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Keywords | イノシトールリン酸 / 軟骨分化 / タイプIIコラーゲン / プロテオグリカン / イノシトールリン酸ホスファターゼ |
Research Abstract |
イノシトールポリリン酸ホスファターゼ(MIPP:Multiple Inositol Polyphosphate Phosphatase)をコードする遺伝子が、ニワトリの骨端成長軟骨において増殖軟骨細胞層/肥大軟骨細胞層の境界に特異的に発現している遺伝子であるHiPER1遺伝子と類似していることが明らかとなった。本研究では、細胞でのイノシトールリン酸代謝機構に関わるMIPP分子を中心に、イノシトールリン酸代謝を介する細胞内情報伝達機構が、軟骨細胞分化に果たす機能を明らかにすることを目的とした。6日齢ラット頚骨骨端成長軟骨を用いたin situハイブリダイゼーション解析により、MIPP mRNAが増殖軟骨細胞層から肥大軟骨細胞層にかけて強く発現していることが明らかとなった。さらに軟骨細胞分化のモデルとして多く活用されているATDC5細胞を用いて解析を行った。ATDC5細胞を、インスリン存在下で培養後、各段階でtotal RNAを調製し、ノーザン・ブロッティング法にて種々の軟骨細胞分化マーカー遺伝子とMIPP遺伝子との発現を比較検討した。さらに、各段階のMIPP酵素活性を測定した。その結果、ATDC5細胞の、骨端成長軟骨における増殖細胞層〜肥大細胞層に相当すると考えられる培養の段階で、MIPPの遺伝子発現、酵素活性ともに上昇していることが明らかとなった。ウサギの肋軟骨成長軟骨の初期継代培養細胞を用いた実験でも、MIPPの遺伝子発現、酵素活性について同様の結果が得られた。また、MIPPを恒常的に過剰発現しているATDC5細胞を樹立し、その軟骨細胞としての分化能を検討したところ、分化能の著しい低下が観察された。以上の結果は、軟骨細胞の分化過程において、MIPPを中心としたイノシトールリン酸代謝の重要性を示唆するものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamamoto,T.: "Involvement of EF hand motifs in the Ca^<2+>-dependent binding of the pleckstrin homology domain to phosphoinositides"Eur.J.Biochem.. 265. 481-490 (1999)
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[Publications] Caffrey,J.J.: "The human and rat forms of multiple inositol polyphosphate phosphatase : functional homology with a histidine acid phosphatase up-regulated during endochondral ossification"FEBS Lett.. 442. 99-104 (1999)
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[Publications] Takeuchi,H.: "Inhibition of calcium signalling by p130,PLC-related catalytically inactive protein : critical role of the p130PH domain"Biochem.J.. 349. 357-368 (2000)
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[Publications] Hermosura,M.C.: "InsP_4 facilitates store-operated calcium influx by inhibition of InsP_3 5-phosphatase"Nature. 408. 735-740 (2000)