2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877310
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三浦 宏之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40199956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 寛 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90134725)
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Keywords | 隣接歯間関係 / 咀嚼機能 |
Research Abstract |
歯冠補綴に際しての隣接歯間関係の回復は咬合の回復,補綴物辺緑の適合とともにきわめて重要な用件の一つであり,その不適正な回復は食片圧入を起点とする歯周疾患,う蝕などの原因となる.食片圧入はHirschfeldなどが指摘しているように,単に隣接接触関係のみによるものではなく,咬合機能とも密接な関係にある.しかしながら,隣接歯間の動的関係を直接に調べる方法は未だになく,安静時に隣接歯間部にコンタクトゲージ,デンタルフロスなどを圧入して,その静的関係から間接的にその動態を推測する現状にある.そこで安静時ならびに機能時の隣接歯間空隙の定量化を行い,接触点の咬合による動態を明らかにすることが本研究の目的である. 隣接歯間部の動態を観察するために,CCDマイクロスコープとピンスコープを用いて歯間部からの光を測定した.ハロゲン光源から舌側に設置したライトガイドに供給された光を,頬側に設置したCCDマイクロスコープとピンスコープを組み合わせた受光器で測定した.撮影した画像はビデオテープレコーダーに録画し,ビデオキャプチャーボードを介してパーソナルコンピューターに取り込み,濃度断面解析ソフトにて光強度分布を測定レて,隣接歯間関係を定量的に解析した. 生体で臨床的に正常と診断される接触関係にある隣接歯間部で,6部位中5部位において,歯の安静時には通過光が観察されたが,噛みしめ時には認められなかった.したがって,歯の安静時には隣接歯間部に空隙があって,噛みしめ時にはその空隙が閉鎖する方向に歯が変位するものと考えられる.歯はその安静時には隣接歯間部に空隙をもって配列されていて,機能時には歯槽窩の中に押し込まれながら歯列弓の幅径を狭める方向へ変位するとともに隣在歯と緊密に接触して,歯間部への食片圧入を防御しつつ咀嚼機能を営んでいることが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kasahara, K: "Observations of Interproximal Contact Relations During Clenching"Int J Prosthodont. 13・4. 289-294 (2000)
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[Publications] Miura, H: "Behavior of the interdental proximal contact relation during function"J Med Dent Sci. 47・2. 117-122 (2000)
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[Publications] 加藤 均: "咀嚼時,食物動態の観察"顎機能誌. 7・2. 81-89 (2001)
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[Publications] 石原 弘文: "歯の変位からみた補綴物の咬合接触関係"口病誌. 68・2. 222 (2001)