2000 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリット型人工骨作製における成長因子の作用の検討
Project/Area Number |
12877323
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
朝比奈 泉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30221039)
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Keywords | 人工骨 / 成長因子 / 組織工学 / BMP |
Research Abstract |
口腔外科手術時に腸骨海綿骨から得られたに骨髄組織から、expansion culture法を用い骨原性細胞を採取した。この細胞の初代培養系にBMPを添加すると、用量依存的にアルカリフォスファターゼ活性が上昇した。しかし、bFGFは活性に影響を与えなかった。次にこの細胞を2代継代し、細胞数を増加させた後に凍結保存した。これを再び溶解した後、BMPを作用させるとアルカリフォスファターゼ活性が上昇させるが、その程度は初代培養の2分の1程度であった。また、さらに5代ほどの継代培養を行うとBMPに全く反応しなくなった。以上の結果から、骨原性細胞は凍結保存、継代培養を繰り返すことにより、骨芽細胞への分化能を失い、BMPに対する応答性も低下することがわかった。ハイブリッド型人工骨作成にあたり、骨芽細胞への分化能を失わないような間葉系幹細胞の分離方法あるいは保存法の開発も検討すべき課題であることがわかった。 また、ハイブリッド型人工骨の開発にあたって、細胞の足場となる基質の開発も重要である。その一つとして、2相性リン酸カルシウムの応用を考え、まずBMPの担体としての機能を検討した。その結果、骨の場においてはハイドロキシアパタイトと三リン酸カルシウムの混合比3:1のものが、骨形成に最も有効に働くことがわかった。次いで、多孔質リン酸カルシウムブロックに、凍結保存されたヒト骨芽細胞を藩種し、ヌードマウスへの移植実験を行ったが、骨形成は認められなかった。これは、移植した細胞が骨芽細胞への分化能に欠けていたことによるものと思われた。
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Research Products
(1 results)