2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入法の歯周疾患治療への応用に関する基礎的研究
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12877341
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70160869)
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50323689)
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Keywords | 歯周組織 / 再生 / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / プラスミド / BMP / マトリックス / コラーゲン |
Research Abstract |
細胞に外から遺伝子を導入して疾患を治療する遺伝子治療法は、癌や遺伝性の疾患の治療法として応用されようとしている。本研究の目的は、遺伝子導入法が、骨欠損や歯周疾患の有効な治療法となるかについて明らかにすることである。特に、ウイルス性にベクターを使用しないで、プラスミドを直接細胞内に導入し、目的の遺伝子を発現させる方法について検討をおこなう。最初に、哺乳類細胞用プラスミド発現ベクターを使用して、リン酸カルシウム沈殿法を用いて培養細胞(ST2,MC3T3E-1,KUSA)にGFP遺伝子を導入した。また、培養用プレートの底面にプラスミドを含むコラーゲンをコートし、その上で細胞を培養することにより培養細胞に遺伝子導入できることが確認できた。また、コラーゲンにプラスミドDNAを含有させPBS中でインキュベートすると、プラスミドDNAは次第にPBS中に拡散してくる。一方、プラスミドDNAをリン酸カルシウムの微粒子に吸着させコラーゲンに含有させて同様の実験をおこなった場合は、プラスミドDNAのPBS中への拡散がなかった。したがって、プラスミドDNAを組織に埋入する方法として後者の方が適していると考えられる。次に、ラットの頭部に骨欠損部を作製し、その治癒に及ぼす種々の担体の作用について検討した。ヒアルロン酸などのpolysaccharide自身にある程度の治癒促進作用があることが示唆された。コラーゲンをプラスミドの担体として使用する予定ではあるが、ある種のpolysaccharideも担体として優れている可能性が考えられる。また、哺乳類細胞用のプラスミド発現ベクターにBMP2遺伝子を組み込みんだものを調整した。組換DNA実験の申請、動物施設への実験申請が遅れた。動物への実験は平成13年4月よりおこなう予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 春日井昇平: "組織再生を応用した顎堤増加の可能性について"口腔病学会雑誌. 67. 299-309 (2000)
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[Publications] 春日井昇平: "遺伝子治療に向けた最新の研究から 骨髄ストローマ細胞の臨床応用"the Quintessence. 19(1). 210 (2000)
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[Publications] 春日井昇平: "骨組織再生への遺伝子導入法の応用"the Quintessence. 19(11). 186 (2000)