2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病の発症と進行に関わる交叉免疫応答を誘導する抗原蛋白
Project/Area Number |
12877343
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村山 洋二 岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 秀樹 岡山大学, 歯学部, 助手 (90280685)
西村 英紀 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80208222)
高柴 正悟 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)
河野 隆幸 岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80284074)
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Keywords | T細胞クローン / 交叉応答 / 合成ペプチド |
Research Abstract |
Porphyromonas gingivalis由来の分子量53kDaの外膜蛋白(Ag53)は,多くの歯周炎患者由来のIgG抗体およびヘルパーT細胞株によって共通して認識される領域(Ag53p141-161)を有する。本研究は,歯周病細菌抗原由来蛋白を認識するT細胞が他の抗原蛋白と交叉応答し得ることを明らかにすることを目的に,1)Ag53に対して高い血清IgG抗体価を示す患者から,Ag53p141-161を認識する歯周病患者末梢血由来ヘルパーT細胞クローンを樹立すること,2)そのT細胞クローンがAg53p141-161のアミノ酸配列に類似した合成ペプチドに対してどの様な応答性を示すかを評価するものである。この計画のもと,本年度は以下の成果を得ることができた。1)歯周病治療の進行に伴い,歯周ポケット内の抗原量が減少したにも関わらず,Ag53に対する血清抗体価の値が下がらない歯周病患者の末梢血単核球からAg53p141-161を特異的に認識するT細胞クローン(HT8.3)を樹立した。このT細胞クローンはHLA-DRB1^*1501拘束性であり,またそのサイトカイン産生パターンからTh0クローンと特徴付けた。2)Ag53p141-161のアミノ酸配列と相同性を示す領域を有する蛋白5種類を,データベース検索を行うことによって探り当てた。これら蛋白において,相同性を示す領域の合成ペプチドを作成したが,これらペプチドに対してHT8.3は応答性を示さなかった。 以上の結果を踏まえて,今後コンビナトリアル・ケミストリーを応用してHT8.3に増殖応答性およびサイトカイン産生性を誘導するペプチドを同定する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ohyama H et al.: "T-cell Epitopes Involved in Immune Responses of Early-onset Periodontitis Patients"Journal of Dental Research. 79(Special Issue). 522 (2000)
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[Publications] Ohyama H et al.: "Immunogenetical studies on HLA class II polymorphism in periodontal diseases. -Predictable diagnosis of the susceptibility to infectious diseases-"Abstract of Periodontal immunology symposium on "The Pathogenesis of Periodontitis". 20 (2000)
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[Publications] 松下祥 ら: "ペプチドスーパーアゴニスト同定法の開発とその応用:一残基置換から多残基置換へ"日本臨床免疫学会会誌. 23巻・6号. 571-576 (2000)
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[Publications] Oyaizu K et al.: "Identification and characterization of B-cell epitopes of a 53-kDa outer membrane protein from Porphyromonas gingivalis."Oral Microbiology and Immunology.. (in press). (2001)