2000 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル-アルミニウム存在下炭素-炭素形成反応の不斉制御化
Project/Area Number |
12877346
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小笠原 國郎 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60004602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 孝彦 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90271915)
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Keywords | ニッケル触媒 / トリエチルアルミニウム / トリメチルアルミニウム / 脱O-アリル反応 / 脱N-アリル反応 / クロスカップリング / エナンチオ選択性 / (dppp)NiCl_2 |
Research Abstract |
偶然の事からニッケル-アルミニウムの関わる炭素-酸素結合開裂ならびに炭素-炭素結合形成反応を見い出した.本研究はこれらの反応の一般性とその活用を目指した. まず反応は非プロトン性溶媒中,塩化ニッケル-1,3-ジフェニルホスフィノプロパン[(dppp)NiCl_2]の触媒量の存在下にトリエチルアルミニウムを反応させたときに起こる.反応はまたプロトン性溶媒中(dppp)NiCl_2とナトリウムボロヒドリドによっても起こることを見い出した. 反応は基質に特異的であり,置換基のないアリル基のみに起こった.特異性は高く,ベンジル基,置換アリル基,アルキル基,アリール基が共存しても無置換アリル基のみに起こる.またN-アリル基に起こることも見い出した. さらにトリエチルアルミニウムに換え,トリメチルアルミニウムを用いるとアリル基の2量化と共にメチル基の付加が起こり,ホモアリル位にメチル基を持つ成績体が得られる.この間,キラル基質を用いるエナンチオ選択的な反応を期待したが,成功しなかった.反応によりラセミシトロネロールを合成した.
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