2001 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸配列決定に用いる新規化学発光ラベル化試薬の開発
Project/Area Number |
12877355
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
甲斐 雅亮 長崎大学, 薬学部, 教授 (00160953)
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Keywords | アミノ酸配列 / エドマン分解法 / 化学発光検出 / ペプチドシーケンス / 高感度検出 / 超微量分析 / CIPIC / エドマン試薬 |
Research Abstract |
生体内には,極微量で生理活性を示すペプチドが多種存在しており,今後も未知なる生理活性ペプチドが発見されるものと考える。よって,常法のエドマン法より少なくとも100倍ほど高感度なアミノ酸配列の決定法が開発されれば,生体からのペプチドやタンパク質の精製量が従来の100分の1の量でよく,プロテオーム解析の研究は飛躍的に進展できる。本研究では、研究代表者らが開発しているアミノ酸の高反応性蛍光ラベル化試薬であるCIPICの分光学的特性を調べることによって、それを新規の化学発光性試薬として活用し、タンパク質のアミノ酸配列決定に用いられている従来のエドマン試薬よりも、極めて高感度な手法を開発することを目的としている。 本年度の研究において、Ala-Leu-Glyトリペプチドを用いて、ピリジン存在下、含水溶液中でCIPIC試薬と完全にカップリングさせる条件とペプチドのアミノ末端からアミノ酸を逐次分解させる反応条件を設定できた。すなわち、ペプチドの水溶液をCIPICのピリジン含有アセトニトリル溶液と混合し、80℃で15分間加熱することによって、ペプチドのN末端アミノ基とCIPICをカップリングした。その後、過剰のCIPIC及びその分解物を酢酸ニチルで抽出し、水層に残るペプチドのカップリング体を塩酸酸性中で80℃で5分間加熱することによって、N末端のアミノ酸が効率良く逐次分解できることが分かった。この逐次分解したアミノ酸のCIPICヒダントイン体は、ホウ酸緩衝液(pH9.5)中過酸化水素の存在下で、酸化的に分解し化学発光するので、従来の試薬より約100倍ほど高感度に検出できた。この価値ある研究成果によって、今後、超微量ペプチドやタンパク質のアミノ酸配列の自動シーケンサーの開発も可能であると考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.Lu, et al.: "A Chemiluminescence reaction between hydrogen peroxide and accetonitrile and its applications"Analytical Chemistry. 73. 5979-5983 (2001)
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[Publications] N.Kuroda, et al.: "Chemiluminescence detectlonin liquid chromatography (in Chemiluminescence in Analytical Chemistry)"Marcel Dekker, Inc.. 33 (2001)