2000 Fiscal Year Annual Research Report
CYP2A6のpharmacogenomics的研究
Project/Area Number |
12877370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鎌滝 哲也 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00009177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 芳樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80292019)
藤田 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (60281820)
有吉 範高 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (00243957)
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Keywords | CYP2A6 / 薬物代謝 / チトクロームP450 / 肺がんリスク / ニトロソアミン / ニコチン / 遺伝子欠損型多型 / 寿命制御遺伝子 |
Research Abstract |
CYP2A6はヒトにおける薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)分子種の1つであり,以前我々は本酵素が,煙草煙中のニコチンの主要代謝酵素であることを明らかにしている.また,喫煙によってニコチンから生成する煙草特異的ニトロソアミンである4-(メチルニトロソアミノ)-(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK)の究極発がん物質への代謝的活性化反応に関与することが知られている.また,CYP2A6活性には著しい個体差があり,日本人においてCYP2A6を完全に欠損しているヒトの遺伝子解析から,その原因がCYP2A6遺伝子の全翻訳領域を欠損する遺伝的多型であることを明らかにした.以上の背景を基に,CYP2A6遺伝的多型と肺がんのリスクの個体差との関連性を検討している際に,偶然CYP2A6遺伝子全欠損型多型を有するヒトの頻度が年齢の上昇と共に増加する現象を見出した.そこで本年度は,別の集団においてこの現象が再現されるか否かについて検討を行った.以前の予備的検討では年齢を20代,40-50代,70代以上に分けて解析しており,両性をランダムに含んでいたが,今回はCYP2A6の遺伝的多型に性差がある可能性を想定して,前回の検討で傾向がより強く出た女性に限定して解析することにした.また検討の効率化をはかるために,20代と70代および80代に限定して解析を行った.これにより,想定される交絡要因を避け,検体数を数倍に増やした解析が可能である.なお,本研究は北大大学院薬学研究科に設置されている生命倫理委員会の承認を得た後に行った.対象地域に居住する20代,70代および80代女性各166名,125名および190名のCYP2A6遺伝子型を判定した.解析の結果,CYP2A6遺伝子全欠損型多型をホモ接合体で有するヒトの頻度は,それぞれ2.4%(20代),2.4%(70代),2.6%(80代)であり,前回の予備検討の結果を再現することができなかった.アリル頻度からHardy-Weinberg則によって計算される期待値と生データを照らし合わせても特に大きな違いが認められないため生き残りバイアスは考えられず,データの信頼性は高いと考えられた.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Noritaka Ariyoshi et al.: "A Single Nucleotide Polymorphism of CYP2B6 Found in Japanese Enhances Catalytic Activity by Autoactivation."Biochemical Biophysical Research Communications. (In press). (2001)
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[Publications] Noritaka Ariyoshi et al.: "A Novel Single Nucleotide Polymorphism Altering Stability and Activity of CYP2A6."Biochemical Biophysical Research Communications. (In press). (2001)
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[Publications] Takeshi Ozeki et al.: "Cooperative regulation of the transcription of human dihydrodiol dehydrogenase (DD) 4/AKR1C4 gene by hepatocyte neclear factor (HNF) -4α/γand HNF-1α."Biochemical Journal. (In press). (2001)
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[Publications] Loriot, M-A et al.: "Genetic polymorphism of cytochrome P450 2A6 in a case control study on lung cancer in a French population."Pharmacogenetics. 11. 39-44 (2001)
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[Publications] Noritaka Ariyoshi et al.: "Studies on the genetic polymorphism of CYP2A6."Drug Metabolism and Disposition. 15. 57-61 (2000)
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[Publications] Noritaka Ariyoshi et al.: "Structural characterization of a new variant of the CYP2A6 gene (CYP2A6*1B) appparently diagnosed as heterozygotes of CYP2A6*1A and CYP2A6*4C."Pharmacogenetics. 10. 678-693 (2000)
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[Publications] 鎌滝哲也: "薬物療法学"南江堂. (2000)
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[Publications] 鎌滝哲也: "薬物代謝学"東京化学同人. (2000)