2001 Fiscal Year Annual Research Report
一人暮らし高齢女性の地域移動と新転地における適応に関する研究
Project/Area Number |
12877396
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小平 廣子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (60305381)
|
Keywords | 高齢者 / ひとり暮らし / 老人看護 / 適応 / 地域 / リロケーション / 生活史 / 環境 |
Research Abstract |
13年度は、2000年10月20日から2001年3月22日までに行った面接調査結果に基づき、独居女性高齢者の新転地における適応に関連する要因について、対象者の生活史を中心に縦断的側面から分析、検討を行った。なお、新転地における適応、不適応の判断は、調査対象者の主観に依拠した。新転地での生活を対象者自身が「楽しい」「満足」「転居して良かった」「安心した」など肯定的に評価している場合を『適応』とし、「K町に帰りたい」「寂しい」「転居しなければよかった」「毎日が退屈でつらい」などと否定的に評価している場合を『不適応』とした。 分析の結果、「年齢」「転居の動機」「対象者自身の転居希望の有無」「転居前の子どもとの交流状況」「転居前に独居で生活を続けることへの困難性の自覚の有無」「転居前に地域共同体への参加の有無」「転居に関する受け入れ家族側の同意の有無」「転居後の家族との人間関係」「転居先での役割の有無」「転居先での近所とのつきあい」「転居後の友人の有無」などが、適応を左右する要因として抽出された。 本調査結果から、転居する際には、独居高齢者自身が転居の希望、目的を明確にもっていることが重要である。転居にあたっては、子どもだけで転居を決めてしまうのではなく、受け入れ側の家族全員(特に嫁など)と充分に話し合う機会をもつこと、転居後の自分の役割を明確にしておくこと、ある程度の期間をかけて、K町と新転地での生活を繰り返しながら、新転地における適応を高めていくなどの支援が必要であることが示唆された。なお、調査結果の概要については、第6回日本老年看護学会で発表した。 14年度は、内容をさらに分析し、報告書を作成する予定である。
|
Research Products
(1 results)