2001 Fiscal Year Annual Research Report
看護職によって医療事故が回避された事例に関する研究
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12877401
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
稲田 三津子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教授 (40257267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 通代 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 学長 (30114276)
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Keywords | 注射業務 / 危険要因連鎖 / 回復事由 / 業務中断 / 指示受け / 確認行動 |
Research Abstract |
前年度に得られた研究結果を基に、過去1年間、注射業務においてアクシデントを起こしていない臨床経験10年目以上の看護婦9名を対象に、注射業務の各段階で遭遇する「業務の中断」の理由と、その時の対応及びその理由について明らかにするために、焦点化するまでインタビューを繰り返し行った(2〜3回)。その結果、業務中断の主な理由は、電話、ナースコール、患者や家族の訪室、同僚・婦長・医師から声をかけられる等であった。対処行動としては、医師への協力要請や、同僚との明確な役割分担による委譲、中断状況の明確な区別等が明らかとなった。また、対象者は注射業務の各段階で、「業務中断」がインシデント・アクシデントに繋がることを過去の経験から学んでいた。とりわけ、医師の指示そのものが間違っていれば、次の段階で何度確認しても事故に繋がる危険性を予測し、自分が納得するまで確認行動をとっていた。したがって、医師の指示受け段階での、看護職による医療事故防止機能が重要である事が示唆された。
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