2000 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ポリフェノールによる実験的コレステロール胆石の制御作用
Project/Area Number |
12878021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻 啓介 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (80197673)
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Research Abstract |
ポリフェノールのコレステロール胆石抑制作用を調べるためマウスを用いて、今年度はカレー粉中の黄色い香辛料であるクルクミン、コーヒー中の主成分であるカフェインやクロロゲン酸、また、ポリフェノールを数種類含んだ混合物である食品素材について検討した。クルクミンとクロロゲン酸は飼料に0.2〜0.5%添加することによって胆石の形成を抑制した。カフェインにおいては胆石の形成が認められなかったものの、カフェインを摂食させたマウスの飼料摂取量及び体重の増加が著しく悪かったため、カフェインにコレステロール胆石抑制作用があるとは判断できなかった。ポリフェノールを含有する食品素材には、赤ワイン、緑茶、イチョウ葉、赤ブドウ葉、さとうきびの各抽出物について検討した。これらの素材はいずれもポリフェノールを15〜80%含有している。マウスの飼料に3%添加することによって、赤ワイン及び赤ブドウ葉抽出物が最も強いコレステロール胆石抑制効果を示し、次いでイチョウ葉抽出物が抑制した。さとうきび抽出物の抑制効果は最も弱かったが、これはポリフェノール含有量が15%と最も低いためであると思われた。緑茶抽出物はこれらの素材の中では最もポリフェノール含有量が高かったが、マウスの飼料摂取量と体重の増加が著しく悪く、これは緑茶抽出物中にカフェインを含有していることが原因であると考えられた。これら食品素材中には最低でも3種類以上、多いものでは10数種類のポリフェノール成分を含んでいることから、食品素材を用いてコレステロール胆石抑制実験をおこなえば最低でも15種類以上のポリフェノール成分が評価できたことになる。しかし、これらのポリフェノール成分には胆石形成に及ぼす効果があるものとないものが共存しており、今後はポリフェノール成分を系統的に分けて化学構造と胆石抑制効果との相関を検討する。
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