2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ポリフェノールによる実験的コレステロール胆石の制御作用
Project/Area Number |
12878021
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻 啓介 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (80197673)
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Keywords | ポリフェノール / コレステロール胆石 / カレー / コーヒー / 緑茶 / クロロゲン酸 / プルプリン / キニザリン |
Research Abstract |
マウスによるポリフェノールの実験的コレステロール胆石抑制作用について、昨年度までにカレー粉中の黄色い香辛料であるクルクミン、コーヒー中の主成分であるカフェインやクロロゲン酸、また、ポリフェノールを数種類含んだ混合物である食品素材について調べた。今年度はコーヒーおよび緑茶についてカフェイン含有の有無により胆石形成に違いがあるかを調べた。また、水酸基の結合部位の異なる3種のアントラキノン化合物とアントラキノン系食用色素のラック、コチニールについても検討した。コーヒーと緑茶は含有するポリフェノール量が異なるため、コーヒーは飼料中に3%、緑茶は1%添加することによって胆石の形成を調べた。コントロール群は90%以上の高い胆石形成率であった。コーヒー投与群では、カフェイン添加(+)で80%、カフェイン無添加(-)で100%、緑茶投与群では、カフェイン(+)で90%、カフェイン(-)で100%、胆石形成を抑制した。いずれの場合もカフェイン(+)に比べカフェイン(-)のほうが胆石形成抑制率はわずかに高かった。また、1,2,4-位に水酸基を有するプルプリン、1,4-位に水酸基を有するキニザリン、1,5位に水酸基を有するジヒドロキシアントラキノンとコチニール色素(カルミン酸)、ラック色素(ラッカイン酸)の5種類のアントラキノン類についてコレステロール胆石抑制作用を検討した。飼料中に各1%添加して胆石の形成を調べた結果、いずれの化合物も高い胆石形成抑制率を示した。中でもジヒドロキシアントラキノンは100%胆石の形成を抑制し、トリヒドロキシ体よりもジヒドロキシ体のアントラキノン類のほうがわずかに抑制効果が高いようであった。また配糖体のカルミン酸は抑制率が70%でこれらの化合物の中では最も効果が弱かった。自然界には様々な構造のポリフェノールがあり、その一端を今回明らかにした。更にポリフェノールの化学構造と胆石形成との相関について今後も詳細に検討する。
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