2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本の小学生に薬の教育を行うために必要な課題の抽出と具体化へ向けての検討
Project/Area Number |
12878026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
岡 希太郎 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40057336)
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Keywords | 小学生 / 薬学教育 / 学校薬剤師 / 薬の適正使用 / 服薬説明 / 社会薬学 / 医薬品の模型 / 用語解説 |
Research Abstract |
まず本研究の協力者として、本学教育専任職である加藤哲太助教授と宮本法子助手が参加することとなった。次に医療施設の小学生を対象に薬学教育の実績をもっている福島県立医大附属病院の斎藤百枝美薬剤師を招聘し、本学近隣のひらやま児童館(日野市平山)にて小学1〜3年生約50名を対象にモデル授業を開講した(9月9日)。教材として、斎藤氏が用意した市販医薬品の実物と手作り小冊子「くすりの正しい使い方」を活用した。その後、都内では最も充実しているといわれている日野市立図書館所蔵の児童向け薬の絵本、都内書籍店で販売されている同種の図書、社会薬学会会員が所有している国内外の図書、製薬企業団体が作成した児童向けビデオ(クスリン)、アベンテイス社が独自に作成した小・中学生向けホームページなどの内容を吟味した。それらをまとめ、本学学園祭の機会に一般公開し、来場した小〜高校生にアンケートで意見を求めた(11月3〜4日)。来場者約60名の反応は良好で、小学生にも血中濃度の概念が理解できることが明らかになった。以上の調査結果を踏まえて、新たに製作すべき薬の模型、購入すべき人体模型などを吟味し、市販品は購入した。一方、本学職員及び八王子市、日野市、多摩市の薬剤師会に呼びかけ、学校薬剤師を中心に「薬の授業」を希望する小学校の紹介について依頼した。その結果、本学職員の子弟が通学している日野市立東光寺小学校(小杉博司校長)から強い要請があり、3月8日に6年生2クラスの総合学習の時間を活用して授業を行った。講師として研究協力者の加藤哲太が当たった。以上の経過を総合すると、初年度の基礎調査と試行授業は成功したといえる。特に授業後の質問で、小学生の興味の対象と理解し難い専門用語が明確となり、今後の研究計画の設計にとって極めて有用と考えられた。
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