2001 Fiscal Year Annual Research Report
認知シミュレータを用いた仮説検証型研究スタイルの学習環境の構築
Project/Area Number |
12878032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三輪 和久 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (90219832)
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Keywords | 認知シミュレータ / 学習システム / 仮説検証 / 仮想心理実験環境 / 学習過程 |
Research Abstract |
認知科学や心理学等の研究分野における探求過程として,仮説に基づき実験を計画し,実験結果のフィードバックを受けて仮説を修正し,再実験を計画,実行するというプロセスが重要である。本研究では,筆者らが開発した認知シミュレータを用いて仮想心理実験環境を構築し,上記のような仮説検証スタイルを学習するための計算機環境を構築した。さらに実際に被験者に本システムを使用させ,その基本的な学習過程を検討した。 本シミュレータが扱う課題は,問題解決の領域で古くから扱われてきた発見課題としてのWasonの2-4-6課題である。シミュレータは,Wason課題を協同して解決する二人の被験者をシミュレートし,具体的には,本課題を解決する計算機モデルが,協同してターゲットを発見する。 本シミュレータは,すでに得られている関数でパフォーマンスを疑似計算し,そこに適当にノイズを加えて出力するといった嘘のメカニズムを用いるのではなく,当該の人間の問題解決の過程を実際にシミュレートした結果を,そのプロセスとともに出力する。学習者は,このシミュレータを使って,モデルのパフォーマンスを規定する要因を同定することが求められた。 いくつかの学習実験を行なった結果,本学習環境において実験演習を行なうことにより,学習者の様々な仮説形成スキル,実験計画スキルが獲得されたことが確認された。さらに,学習者の実験プロセスを,報告者が提案した実験行動記述スキーマに基づいて記述し,フィードバックすることによって,学習過程が促進される可能性があることを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 石井成郎, 三輪和久: "大学初年次における情報リテラシーと基礎科学教育"教育システム情報学会誌. 18. 51-60 (2001)
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[Publications] 三輪和久, 石井成郎, 齋藤ひとみ, 中池竜一: "仮想心理実験室における学習者の行動変容過程"電子情報通信学会技術研究報告. ET2001-59. 29-34 (2001)
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[Publications] 中池竜一, 三輪和久: "探索行動の可視化による実験計画スキル学習支援システム"人工知能学会第33回知的教育システム研究会資料. 49-55 (2001)