2000 Fiscal Year Annual Research Report
学校教育における「日本的いのち教育」-カリキュラム編成と教材開発-
Project/Area Number |
12878035
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
得丸 定子 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00293267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 真由子 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (60241197)
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Keywords | 日本的いのち教育 / Death Education / 生涯教育 / 学校教育 / 慣習・行事 / いのちの講座 / 生命軽視 / 畏敬の念 |
Research Abstract |
2年継続研究であり、初年度である平成12年度は、全員で作業、検討を行った。つまり、諸外国のDeath Education用の教科書、ワークブックを収集可能な限り集め、その内容を検討し、諸外国と日本人の死に対する感性との関連性・相違生をさぐった。 「死」が日常生活から追い出されている現在において、多くの人が「生と死」の感性や、自然やいのちに関する畏敬の念に疎くなっており、そのことが一因として、若い世代の生命軽視の痛ましい事件が続発しているとも考えられる。その感性欠乏の原因の一つとして、「死」にまつわる慣習・行事の衰退も考えられる。故に、「死」に関する日本的な儀式や慣習が、かつてどのように一般市民の間で機能していたのかを知るため、上越市戸野目地区在住の高齢者を対象にフィールドワーク調査を行った。「死」に関する慣習・行事の機能の衰退の様子知るため、第2次世界大戦直後のそれらの取り組みと、現在の若い世代のそれらに対する認識や取り組みとの相違を知るためにアンケート調査は実施し、現在解析中である。 また、「日本的いのち教育」に関する教育の歴史的な系譜の整理と確認、諸外国の義務教育レベルにおける情報収集を現在行っている。 さらに、生涯教育の一環として「いのち教育」を実施する必要性が考えられ、「新潟大・上越教育大いのちの教育を考える会」を設立した。その実践の第一歩として、今年度は、次世代を担う自分の子どもを育てていると考えられる20〜30代の男女を対象に「いのちの講座」を長岡市において計8回開催した。
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[Publications] 鈴木真由子 他2名: "学校教育におけるDeath Education展開の可能性"新潟大学教育人間科学部附属教育実践研究指導センター研究紀要. 第19号. 99-111 (2000)
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[Publications] 鈴木真由子,野澤朋代: "Death Educationに対する教員の意識と学校教育における課題"新潟大学教育人間科学部紀要(人文・社会科学編). 第3巻第1号. 11-19 (2000)
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[Publications] 鈴木真由子,吹山八重子: "アメリカにおけるDeath Educationの実際(1)〜中高生を対象とした教科書の記述分析〜"家政教育社「家庭科教育」. 75巻1. 47-52 (2001)
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[Publications] 鈴木真由子,吹山八重子: "アメリカにおけるDeath Educationの実際(2)〜『Families Today』にみられる記述より〜"家政教育社「家庭科教育」. 75巻2号. 26-30 (2001)
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[Publications] 得丸定子: "子どもと死について考えよう"へるす出版「生活教育」. 45巻2号. 2-3 (2001)
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[Publications] カール・ベッカー 編著(分担執筆): "生と死のケアを考える"法蔵館. 325 (2000)
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[Publications] 中川栄(対談): "月刊ハイゲンキ"エス・エー・エス. 78 (2001)