2001 Fiscal Year Annual Research Report
言語対話メタファに基づく操作と意図推論による電子機器用ヒューマンインタフェース
Project/Area Number |
12878055
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山田 耕一 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60283040)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 意図推論 / 言語対話メタファ / 可能性因果モデル |
Research Abstract |
比較的小さな筐体とディスプレイを持つ多機能な電子機器のための新しいヒューマンインタフェース(HIF)パラダイムとして,言語対話メタファに基づく操作と意図推論による電子機器用のHIF「Push like talking(PLT)」を提案し,その有効性を検証するのが本研究の目的である. Push liketalking(PLT)は人間同士の対話を人間と機器の対話のメタファ(言語対話メタファ)とする.ユーザはパネル上に配置された単語ボタンを押すことによって機器に「発話」し,自分の意思を伝える.ある意思を伝えるために複数の自然言語表現があるのと同様に,PLTでもある機能を利用する際に唯一の正しい発話(語順)がある訳ではなく,対象機器がユーザの発話意図を理解することによってユーザが望む機能を提供する.ユーザからの情報が不十分で意図を絞り込めない場合や想定可能な意図が存在しない場合は,簡単な質問を小さなディスプレイ上に表示し,人間と機器間で対話を行う. 今年度は,昨年度に設計・構築した多機能電話の操作パネルを改良すると同時に,意図と単語間の因果関係モデルを構築するための手法を理論的に検討し,方法論を固めた.この方法では,まず人間の認識に合致する因果の不確実性表現を持つ確率因果モデルを構築し,それを可能性因果モデルに変換する.可能性とは定性的な性格を持つ不確実性尺度である.今年度はこの手法を用いて言語表現メンタルモデル(利用機能-表現単語間の因果関係モデル)を構築した. また、ユーザの意図推論はこの因果モデルを用いた逆推論によって行うが,意図推論に失敗する場合について分析を行い、推論に失敗した場合のユーザとの対話方法および再推論の方法について検討した. 以上の検討結果を利用して新たに仮想的な多機能電話インタフェースをパソコン上に構築し,意図推論実験を行った結果,昨年度に実験した方法に比べて,結果が改善されていることが確認された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山田耕一: "証拠理論に基づく複数の確率・可能性変換法に関する考察"日本ファジィ学会誌. 13巻,3号. 302-311 (2001)
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[Publications] K.Yamada: "Probability-Possibility Transformation Based on Evidence Theory"IFSA World Congress 2001. 70-75 (2001)
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[Publications] K.Yamada: "Learning Causal Models with Exact Uncertainty of Causalities"2nd Vietnamu-Japan Symposium on Fuzzy Systems and Applications(VJFUZZY 2001). 176-183 (2001)