2000 Fiscal Year Annual Research Report
液体金属のレーザー誘起ブレークダウン分光と非線形光学的応用
Project/Area Number |
12878073
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鈴木 炎 富山大学, 理学部, 助教授 (10216434)
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Keywords | 液体金属 / ブレークダウン / 光学リミッタ |
Research Abstract |
レーザーパルス光を物質に照射すると、しきい値以上で誘電破壊(ブレークダウン)が起こりプラズマ放電が生じ、透過率がゼロ付近へ低下する。プラズマはしきい値以上の光を遮断するoptical limiterとして動作する。液体金属ではしきい値が低く、また損傷も短時間に回復すると期待できるので、保護材料として有望である。本研究では、液体金属のレーザー誘起ブレークダウンスペクトル(LIBS)を測定し、その非線形光学過程を解明するとともに、プラズマの光吸収を応用し、液体金属をoptical limiterとして実用化する可能性を追求することを目的としている。 本年度は、主として分光系・計測装置の構築と最適化を行った。大学に現有のナノ秒パルスYAGレーザー、窒素レーザー、色素レーザーとともに、本補助金で購入した連続光・フラッシュキセノンランプ、CCDカメラ、フレームグラバーを用い、可視・近赤外時間分解LIBS測定装置並びに時間分解アブレーション顕微観察装置を構築した。この装置により、Ga-In合金液体のLIBSの予備的観測を行うとともに、試料薄膜化の手法を検討した。 今後の研究展開として、この装置を用いて各種無機液体金属の時間分解LIBS測定とブレークダウン顕微観察を行い、液相ブレークダウン過程のメカニズムを明らかにする計画である。また、有機液体金属(導電性高分子)のLIBSを測定し、特に、1次元電子系や液晶性などの特性と、ブレークダウン過程の相関を検討する予定である。
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