2000 Fiscal Year Annual Research Report
土壌細菌DNAの総観的分子分類解析による環境診断法の開発
Project/Area Number |
12878086
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
伊藤 公紀 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 教授 (40114376)
|
Keywords | 土壌細菌 / 16SリボソームDNA / 腐食物質 / GC含量 / ポリビニルポリピロリドン / セファローズ / PCR / 土壌汚染 |
Research Abstract |
1.土壌細菌DNAの効率的直接抽出法および精製法の検討 DNAから土壌細菌の全貌を観察するためには、DNAの直接抽出とPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の組み合わせが適当である。しかし土壌に含まれる腐食物質等のために、PCRは大きく阻害される。従って、効率的な直接抽出法と精製法の検討が、まず必要である。そこで、従来報告された種々の抽出法と精製法を比較調査した。DNA直接抽出法としては、高塩濃度と高温の条件下で酵素溶菌を行う手法が優れていた。精製法の比較には、PCRでの増幅過程を直接モニターする定量PCR法を適用し、腐食物質によるPCRへの阻害効果を調べた。これにより、PVPPとセファローズでそれぞれ除去される腐食物質が、土壌によって大きく異なることが判明した。その結果、DNA精製法としては、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)樹脂およびセファローズ樹脂を組み合わせて用いる遠心カラム法が適当であることが分かった。 2.土壌細菌DNAの鎖長解析 16SリボソームDNAの変化領域IのPCR増幅により得たDNA断片を、高分解能ゲルを用いて鎖長解析した。細菌を数種類の群に分けるPCRプライマーを設計して適用することで、土壌により、どの群の細菌が主要であるか分かることが判明した。また、銅イオンで汚染された土壌にこの手法を適用し、銅イオンの影響を受けやすい細菌群と受けにくい細菌群があることが分かった。 3.土壌細菌DNAのGC含量解析 温度勾配電気泳動法(TGGE)、変性剤濃度勾配電気泳動法(DGGE)、およびDNA分離剤法により、土壌細菌DNAのGC含量解析を行った。GC含量が54%付近および58%付近にブロードなピークを持つ特徴的な分布が得られた。今後、鎖長分析との組み合わせにより、二次元解析を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)