2001 Fiscal Year Annual Research Report
迅速電解調整した溶媒和電子を用いる有害有機化合物の処理
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12878101
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
木原 壮林 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (60161543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 裕美 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助手 (40314306)
前田 耕治 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助教授 (00229303)
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Keywords | 極微量有害有機物の処理 / 液体アンモニア / 溶媒和電子 / カラム電極電解法 / 迅速電解調製 / 電解条件 / クロルベンゼンの分解 / 生成物の分析 |
Research Abstract |
液体アンモニアに金属ナトリウムを溶解させると溶媒和電子が発生し、強い還元力と導電性を有する濃青色の溶液となる。この溶媒和電子は含ハロゲン有機化合物を還元分解するので、これを応用して、土壌などの環境中に存在する極微量のPCBやダイオキシン等の有害有機物を分解処理しようという試みがある。この処理は低温(-32℃以下)で行われるが、処理後、常温でアンモニアを気化回収し、再利用できるという特長を持つ。しかし、この分解処理を工業的に実現させるにあたっては、金属ナトリウムの取り扱いに間題があり、溶媒和電子を高濃度で迅速生成させる別法の開発が不可欠であった。 本研究では、著者らが開発した世界最迅速な電解法「カラム電極電解法」による溶媒和電子の迅速生成を目指して、作用電極材料や液体アンモニアに加える支持電解質の種類や濃度等の電解条件を検討した。また、電解調製した溶媒和電子による有害有機物の分解を試みた。 検討の結果、作用電極としては、グラッシーカーボン(GC)繊維、白金細粒、ニッケル細粒などを用い得るが、GCより金属の方が電解効率が良いことが分かった。支持電解質として、NaCl、KCl、テトラアルキルアンモニウム過塩素酸塩などを検討したが、液体アンモニアへの溶解度、安全性、経済性などを勘案して0.1M NaClを用いることにした。このような条件で-2V対銀-塩化銀電極より負電位を作用電極に印加してカラム電極電解したとき、実用に耐え得る量の溶媒和電子を生成できることが分かった。 電解調製した溶媒和電子による有機ハロゲン化物の分解をクロロベンゼンを例に検討し、クロロベンゼンは、極めて高効率でベンゼンに分解されることを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Ohde, A.Uehara, Y.Yoshida, K.Maeda, S.Kihara: "Some Factors in Voltammetric Measurement of Ion Transfer at the Micro Aqeous/Organic Solution Interface"J.Electroanal.Chem.. 496. 110-117 (2001)
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[Publications] 木原壯林: "分析化学便覧,"7.6.4 ボルタンメトリー(ポーラログラフィーを含む),7.6.5 電量分析法,7.6.7塩およびイオンの当量電導度""丸善. 724-729 (2001)
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[Publications] S.Kihara: "Interfacial Catalysis, "Ion Transport Processes Through Membranes of Various Types : Liquid membrane, Thin Supported Liquid Membrane and Bilayer Lipid Membrane""Marcel Dekker(in press). (2002)