2000 Fiscal Year Annual Research Report
固-固分配現象と自然エネルギーを用いる土壌中ダイオキシン類の捕集・光分解法の開発
Project/Area Number |
12878102
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 亨 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (20301252)
老田 達生 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90152032)
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Keywords | ダイオキシン / PCB / 光分解 / 毒性等価係数 / HPLC / 吸着 / 固-固分配 / 自然エネルギー |
Research Abstract |
土壌の中のPCBやダイオキシンは、高い疎水性をもつので有機物質あるいは無機物質の表面に吸着されて存在する。ダイオキシンは、無機物質表面に吸着された状態では安定であるが、有機物質、とくに、引き抜くことができる水素をもつ有機物質中では、光により容易に分解して2,3,7,8-位から塩素を失い無毒化される。しかし、無機物質上で分解されたときのダイオキシン生成物は、1,4,6,9-位から塩素を失った高い毒性等価係数(TEQ)をもつ同族体である。したがってダイオキシン汚染土壌を放置することは、TEQの増加を招くおそれがあり、また放置してもダイオキシン類の速やかな分解は期待できない。このような土壌中のダイオキシン類を速やかに光分解するために、(1)無機物質上から、有機物質上にダイオキシン類を移動させる、次に(2)有機物質上のダイオキシンを太陽光を用いて光分解することを、目的に検討を行った。第一段階として、シリカゲルを土壌のモデルとし、アルキル化シリカゲルを有機物質のモデルとして、芳香族化合物が固体-固体間を移動するかどうかを検討した。ナフタレン、アントラセン、および、ピレンをモデル化合物として、シリカゲルに吸着させた後、乾燥状態でアルキル化シリカゲルと混合し、シリカゲルとアルキル化シリカゲルとを分離して芳香族化合物の分布を測定したところ、これらの芳香族化合物は、シリカゲルからアルキル化シリカゲルに移動することが示された。次の段階は、ダイオキシン類についても固体-固体間を移動するかの検討、およびダイオキシンを吸着した有機物質を土壌中から表面に移動させる段階の実験であり、これに続いて光分解まで実行する計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Turowski, et al.: "Selectivity of stationary phases in reversed-phase liquid chromatography based on the dispersion interactions."Journal of Chromatography, A. 911. 177-190 (2001)
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[Publications] N.Tanaka, et al.: "Monolithic columns - A new type of chromatographic support for liquid chromatography."Analytical Chemistry. 73(印刷中). (2001)
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[Publications] N.Tanaka, et al.: "Capillary electrochromatography on monolithic silica columns"Elsevier(印刷中). (2001)