2001 Fiscal Year Annual Research Report
染色体脱凝縮により活性する遺伝子群のゲノム局在様式と発現のメカニズム
Project/Area Number |
12878111
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
筒井 研 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70108158)
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Keywords | トポイソメラーゼII / アイソコア構造 / ゲノム塩基配列 / クロマチン構造 / 核マトリックス |
Research Abstract |
1.マクロアレイフィルターを用いた発現プロフィルの解析により,ラット小脳顆粒神経細胞の分化過程で発現が誘導される54個の遺伝子を同定した.このうち,いくつかの遺伝子の特定領域クロマチンの構造変化をDNase I/定量PCR法を用いて解析したところ,トポIIβの活性に依存した発現誘導を示す遺伝子群(Class I遺伝子)では培養経時的にDNase I感受性が上昇し,トポII特異的阻害剤ICRF-193で活性を阻害した場合その上昇は抑制された.しかし,発現誘導が阻害剤に感受性を示さない(その誘導にトポIIβの活性を必要としない)遺伝子群(Class II遺伝子)の場合,培養開始直後から感受性は高く,以後大きな変化は認められなかった.これらの結果は,凝縮状態にあるClass I遺伝子クロマチンをトポIIβが脱凝縮することにより,転写誘導が可能になることを示唆している. 2.次に,これらの遺伝子が局在するアイソコア構造をヒトのゲノム情報に基づいて解析した.その結果,Class I遺伝子のうち,amphiphysin Iやphosphodiesterase 4B遺伝子などは高度に凝縮したクロマチン構造をとる,AT含量の高いアイソコア(L2)に存在したが,Sodium channel β1やRAD GTPase遺伝子などはむしろGCに富むアイソコア(H2)に局在した.すなわち,トポIIβに依存した遺伝子発現の誘導は,アイソコア構造のみに依存するのではなく,より局所的なクロマチンの凝縮状態に支配されることが明らかになった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tohge, H.: "High incidence of antinuclear antibodies that recognize the matrix attachment region"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 285. 64-69 (2001)
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[Publications] Lobov, I.B.: "Specificity of SAF-A and lamin B binding in vitro correlates with the satellite DNA bending state"J.Cell.Biochem.. 83. 218-229 (2001)
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[Publications] Shimizu, N.: "Plasmids with a mammalian replication origin and a matrix attachment region initiate the event similar to gene amplification"Cancer Res.. 61. 6987-6990 (2001)
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[Publications] Watanabe, M.: "Expression of amphiphysin I in Sertoli cells and its implication in spermatogenesis"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 287. 739-745 (2001)
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[Publications] 筒井 研: "DNAトポイソメラーゼllβの生理機能"生化学. 73. 374-378 (2001)