2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロジェンおよび抗アンドロジェン剤の活性評価系の確立
Project/Area Number |
12878115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
脊山 洋右 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90010082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内島 泰信 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90272426)
久保田 俊一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00260480)
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Keywords | ハーダー腺 / アルキルジアシルグリセロール / モニター系 / アンドロジェン / ゴールデンハムスター / フルタミド / テストステロン |
Research Abstract |
1.研究の背景:ゴールデンハムスターのハーダー腺は1-アルキル-2,3-ジアシルグリセロール(ADG)を多量に分泌するが、その組成には顕著な雌雄差が見られ、薄層クロマトグラフィーで容易に判別することができる。雄のADGでは直鎖の脂肪酸しか含まれていないのに、雌のADGでは分枝鎖脂肪酸が多量に含まれているために薄層プレート上の移動度が異なったために雌雄差として観察される。この雌雄差はアンドロジェンにより調節されていることから、この性質を利用して、生体に作用するアンドロジェンおよびその阻害剤の効果をモニターすることを試みた。 2.研究方法:ハーダー腺の分泌液1mlをキャピラリーで採取し、そのまま薄層クロマトグラフィーで展開、分析する。 3.研究結果:去勢した雄に術後2週間たってからテストステロンを皮下に投与すると、フルタミドのような抗アンドロジェン剤を投与した場合にはADGの組成は雌型のままに留まることがわかった。去勢雄のアシルCoA脱水素酵素(IVDとSBCAD)は通常の雄に比べて低い値であったが、テストステロン投与により活性は上昇したが、フルタミドの同時投与により酵素活性の誘導は抑えられた。 4.考察:以上の結果から、ゴールデンハムスターのハーダー腺の分泌液に含まれる脂質の組成をTLCによりモニターすることにより、生体へのアンドロジェンおよび抗アンドロジェン剤の作用を非侵襲的かつ経時的にモニターすることが可能であり、アンドロジェン受容体を介した作用のモニターに対して有効な方法であることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Uchijima,Y., et al.: "Androgenic regulation of lipid metabolism in golden hamster..."Chem.Phys.Lipids. 107. 77 (2000)
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[Publications] Hida,A, et al.: "Monitoring of androgenic and antiandrogenic activities by..."Chem.Phys.Lipids. 105. 116 (1999)