2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12878120
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大場 哲彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10250664)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 和夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80115394)
|
Keywords | 生体膜の膜流動性 / 時間的・空間的変動 / 蛍光顕微鏡 / 偏光制御 |
Research Abstract |
生体膜の柔らかさの空間的・時間的な変動を画像化するための二つの方法について、それぞれ、次のような改良を加え、モデル系である脂質二分子膜リポソームに適用した。 1.環境感受性色素色素Laurdanを用いた二波長画像イメージング 脂質膜のゲル相と液晶相に特異的な二つの発光波長をdual-view光学系で同時に取得するシステムについて、時間分解能を上げるため、カメラをこれまでのスロースキャンタイプの冷却CCD(時間分解能>秒)から、ビデオレートのイメージインテンシファイアCCD(時間分解能〜33ミリ秒)に変更し、基礎的な方法論の検証を行った。カメラのダイナミックレンジの減少のため、測定の精度は下がるが、ビデオレートでも十分流動性画像が得られることがわかった。また、得られた流動性画像について詳細に検討すると、二波長画像の焦点面を完全に一致させるためには、4波長で色収差補正したアポクロマート対物レンズが必要なこと、33ミリ秒の時間分解能を得るには、電源の50Hzと画像取得の30Hzが干渉するため、蛍光光源として直流タイプの水銀ランプが必要なことがわかった。 モデル系として、DMPC及びDMPC/DMPEリポソームに適用し、相転移温度付近での相分離状態のダイナミクスについての知見を得た。 2.Muelle行列を用いた蛍光異方性イメージング 蛍光性試料の偏光応答をmueller行列を用いて記述するイメージング法について、測定の時間分解能と再現性を向上させるために、これまでの手動式の偏光子の代わりに、液晶デバイスを用いて、偏光を制御する方法を検討した。その結果、理論的には、液晶スイッチング素子(FLC液晶)と波長板の組み合わせで、完全なMueller行列を測定可能であり、仮にビデオレートカメラを用いると、時間分解能は0.3〜0.5秒まで上げられることがわかった。
|