2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12878123
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
光岡 薫 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60301230)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 膜蛋白質 / 構造解析 / 二次元結晶 / Homer / エンドセリン受容体 / グルタチオン異性化酵素 / 共局在 |
Research Abstract |
まず、局在化蛋白質として用いるPSD-Zip45のリガンド特異性の解析を目的に、その三次元結晶の作製を試みた。動的光散乱実験から、その全長の結晶化は難しいと考えられたので、PSD-Zip45が属するHomer aファミリーで保存されている配列部分を大腸菌で発現した。分析超遠心やX線小角散乱から、その保存配列部分は水溶液中で単量体の状態で存在することがわかったので、その領域を用いて三次元結晶化を行った。そのようにして作製できた結晶を用いて、X線結晶解析を行った。Homer aのPDZドメインは既に構造が解けているので、その原子モデルを用いて分子置換法により分解能2.0Åで構造を決定した。この結果については、現在投稿準備中である。 次に、PSD-Zip45による膜蛋白質の局在が、リガンドと考えられているグルタミン酸受容体(mGluR)のC末側のペプチド部分のみで実現できるか確認することを目的に、COS細胞にPSD-Zip45とそのリガンドを持つ膜蛋白質を共発現させた。膜蛋白質は、エンドセリン受容体(ET_BR)を用いて、mGluRのC末領域とのキメラを作製した。その共発現系を用いて、PSD-Zip45とET_BRが共局在していることを共焦点顕微鏡観察により確認した。 最後に、現在知られている二次元結晶での分子のパッキングに関する知見を得るため、膜蛋白質型のグルタチオン異性化酵素(MGST1)の電子線結晶解析を行った。その結果6Å分解能の三次元構造がわかり、MGST1の1分子は4本の膜貫通へリックスから構成され、三量体として存在していることが明らかになった。その4本の膜貫通へリックスは水溶性の蛋白質でも知られている左巻きのバンドルを作っていた。これが、MGST1が含まれるMAPEGファミリーの共通トポロジーと考えられた。
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Research Products
(1 results)