2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12891003
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
波多野 誼余夫 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60049575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 忍 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20252398)
板倉 昭二 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50211735)
高橋 恵子 聖心女子大学, 文学部, 教授 (40050786)
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Keywords | 感情 / 社会的基盤 / 生物的基礎 / 動物の感情 / 感情的コミュニケーション / 神経的基盤 / 文化と感情 |
Research Abstract |
感情-社会的基礎と生物的基礎 本企画調査研究は、「感情」の科学的理解を目指す特定領域研究を申請するための準備段階と位置づけ、昨年度の申請書を詳細に再検討し、特に3分野((日)感情の社会的構成、(月)感情の生物・個体内基礎、(火)感情の発達的プロセス)を特定し、以下のような(1)欧米における最先端の感情研究機関の視察と研究者との情報交換、(2)内外の研究者を招いて研究代表者および分担者が参加するシンポジウム、(3)関連する文献研究、によって「感情」研究の理論的枠組みの明確化、より生産的な研究組織作りの可能性を探った。そしてこれらの成果をもとに特定領域研究「感情-社会的起源と生物的基礎」を申請した。 まず、(1)については、北山が社会・文化・情報処理関連の分野についてScherer、Parkinson、Ellsworth、Cacippo、Camposのそれぞれの研究室を訪問し、高橋は発達の分野においてattachmentの最新研究について知るためにローマでの研究集会に参加して情報を収集した。(2)では日本心理学会でのシンポジウムと内外の研究者を招待した4つの研究集会をもった。シンポジウムでは感情の社会的構成と生物、個体内基礎との関連について検討した。また、研究集会は(a)Rogoffを招き慶応大学および京都大学霊長類研究所で松沢哲郎教授と研究スタッフを交えて感情の社会的および生物学的基礎、(b)京都大学においてチンパンジーの表情の研究者を招いて感情的コミュニケーション、(c)京都大学において不安と抑うつの病理からみる感情病理の神経的基盤と文化的要因、(d)慶応大学言語文化研究所の西山佑司教授を招いて言語による感情のコミュニケーションの可能性と問題について、行った。また(3)については慶応大学大学院波多野ゼミ生による感情に係わる文献研究を行った。
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