2000 Fiscal Year Annual Research Report
近畿圏の就学前教育施設に在籍の日本語を母国語としない親を持つ子どもの生活実態調査
Project/Area Number |
12891008
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
萩原 元昭 江戸川大学, 社会学部, 教授 (20008171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日浦 直美 聖和大学, 教育学部, 助教授 (80181056)
二見 素雅子 大阪キリスト教短期大学, 幼児教育学科, 講師 (90310672)
オムリ 慶子 大阪キリスト教短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (20193823)
植田 都 関西外国語大学, 人権教育思想研究所, 助教授 (20330219)
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Keywords | 保育 / 就学前教育 / 多文化 / 外国籍 / 保護者との関係 / コミュニケーション / 幼稚園 / 保育所 |
Research Abstract |
本研究は、近畿圏の就学前教育・保育施設に在籍している日本語を母国語としない親をもつ子どもの生活・保育の実態把握を目的とし、近畿7府県の認可幼稚園(2,720)、保育所(2,602)、計5,322園を対象に、質問紙による調査(平成12年9月実施)を行った。その主な結果は以下の通りである。 1、回収率:全体(38.9%)、回答を寄せた全施設のうち、幼稚園44.3%、保育所50.8%、日本語を母国語としない親を持つ子ども(以後、「当該児」と記す)が在籍している(いた)施設は44.8%であった。 2、当該児:在籍に関しては、施設別では幼稚園より保育所に、また府県別では、大阪府と兵庫県に集中していた。年齢は、幼稚園では5歳児が多いが,保育所では2〜6歳未満児の在籍数に大きな差はなかった。保護者の国籍(父母のどちらか一方が日本国籍の場合も含む)については、日本、中国、韓国・朝鮮、ブラジルが多かったが、挙げられた国は、これらを含めて37カ国に及んでいた。 3、保育上困ったこと:当該児が過去および現在在籍している施設では、言葉(19.8%)、保護者との意志疎通(10.2%)、保護者との(意志疎通以外の)かかわり(8.0%)、食事(7.9%)に関するものが比較的多く挙げられており、コミュニケーションに関する問題が多いことが明らかになった。 本調査結果から、近畿圏の就学前教育・保育施設には、保育者がこれまでに学んだことのない言語・生活文化を背景とする親の子どもが在籍しており、一番の課題は、言葉によるコミュニケーションとそれぞれの国の子育て文化の理解であると言える。保育者、保育者養成関係者、および行政が具体的対応を考える上での資料として、本調査結果の詳細を公表予定である。
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