2000 Fiscal Year Annual Research Report
黄河流域における水危機による生活・産業・経済への影響分析と技術的・政策的対応
Project/Area Number |
12895011
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楠田 哲也 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50037967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚谷 恒雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (90027459)
竹内 邦良 山梨大学, 工学部, 教授 (50016672)
福嶌 義宏 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (00026402)
小林 哲夫 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (20032576)
小尻 利治 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026353)
|
Keywords | 黄河流域 / 水危機 / 影響分析 / 政策 / 国際共同研究 |
Research Abstract |
乾燥流域における水の統合的管理をすすめ水危機を回避するための国際共同研究を実施するためには、流域の現在の水収支と水に関わる安全・安定度の把握、問題点の抽出、問題発生構造の解明、改善目標像の樹立、目標達成のための検討すべき枠組みと手法の確立、目標達成度の評価指標の選定に加えて、研究遂行組織の構成、研究成果の社会還元方法の樹立、研究成果の評価法の確立が必要であった。 本企画調査では、これらについて検討し国際共同研究として明確な目標のもとで支障なく実施できるようにすることを目標とした。この研究構想の準備として以下に述べる検討会を継続して実施した。平成9年度は水循環系の素過程の研究現況の把握と水法制度の精神とその国際比較、平成10年度はわが国における特定地域の統合的水管理の具体的課題の検討、平成11年度は外国の渇水都市における水の反復利用技術の現地検討会等を実施した。また、この研究構想の礎には、IGBP、GEWEX、HELPなどの世界的水循環共同観測・研究があり、これらの成果を活用しつつ、社会経済的・技術的要素を配慮した水循環系のあり方を検討することを意図している。 このような準備をもとにした本企画調査での具体的検討項目は以下の通りである。 (1)黄河流域における水収支の把握状況、(2)潅漑を含めた流域における水利用の把握状況、(3)流域における水需給と経済との関係性解明のための課題の抽出、(4)流域における水循環と水利用上の課題の抽出、(5)流域における水資源配分のシステム合理性と社会的公平性を満たすための要件、(6)水反復利用の実態と可能性、(7)水処理技術の普及と高度化の可能性、(8)生態系劣化阻止の考え方、(9)流域統合管理方策のあり方、である。これら必要検討課題の内容の検討を通して水循環・利用系の従来の枠組みを再構成しつつ流域としての問題の解決法のシナリオを想定し、国際共同研究としての全体構成を明確にした。必要に応じ、社会科学分野、行政担当者からも意見を聴取し、技術的解決に偏らないように配慮した。本企画調査では日本側担当者のみの国内会議を2回、合同の会議を1回実施した。
|