2000 Fiscal Year Annual Research Report
早期発症型歯周炎の病態解析と診断基準確立に向けた共同研究の企画調査
Project/Area Number |
12897021
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 和久 新潟大学, 歯学部, 助教授 (00182478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柴 正悟 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)
栗原 英見 広島大学, 歯学部, 教授 (40161765)
吉江 弘正 新潟大学, 歯学部, 教授 (20143787)
相田 宜利 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (10127954)
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70239490)
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Keywords | 早期発症型歯周炎 / 診断 |
Research Abstract |
早期発症型歯周炎(Early-Onset Periodontitis;EOP)は乳歯あるいは永久歯列を有する者において、いわゆる成人性歯周炎の発症時期よりも明らかに早期に発症し、その後、急速な進行経過をたどって歯の脱落にいたる疾患である。本邦における発症頻度は欧米におけるそれと比較してかなり低いといわれているが(岡本ら0.18%)、全国規模での疫学調査報告はなく、詳細については明らかになっていない。その発症には細菌学的、免疫学的要因の関与が示唆されているが、成人性歯周炎におけるそれらと同様、単一病原細菌による特異的な疾患ではなく、複数の細菌種が関与しているという報告がほとんどであるが、欧米においては主要な原因菌としてActinobacillus actinomycetemcomitans(Aa)がもっとも注目されており、その病原因子や、病態との関連について多くの報告がある。また、宿主防御機構の異常が示唆されることから免疫機能に関係している因子についても多くの研究があり、免疫担当細胞の機能異常との関連が示唆されている。しかし、日本人早期発症型歯周炎とAa菌の関連は低いとする報告や、宿主防御機能の低下についても統一された見解は得られていない。この理由は診断に統一された基準が無く、いずれもAAPの基準を参考に独自の基準を加えて行っていることによると思われる。そこで、本企画調査では日本人における早期発症型歯周炎の病態を明らかにし、診断の一助とするために患者集団の選択、細菌検査・免疫学的検査の項目・方法を統一するための基準作りをすることが決められた。
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