2000 Fiscal Year Annual Research Report
実験動物由来微生物の病原性評価および感染動物実験における安全度分類
Project/Area Number |
12898024
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40166476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 資郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40117271)
佐藤 浩 長崎大学, 医学部, 教授 (50072947)
有川 二郎 北海道大学, 医学部, 教授 (10142704)
柴原 壽行 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70116937)
山本 博 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00108797)
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Keywords | 実験動物 / 微生物 / 感染実験 / 病原性評価 / 安全度分類 |
Research Abstract |
生命科学研究における遺伝子改変動物の激増、再興・新興感染症の出現等に関連し、動物実験における感染症対策の見直しが必要となっている。このため、動物実験施設や実験動物生産施設における微生物検査項目や感染動物実験における安全対策の標準化を進めるため、以下のことを行った。 1)実験動物由来微生物の病原性評価を文献資料をもとに行い、国立大学動物実験施設協議会および日本実験動物協会がそれぞれに定める微生物検査項目、実験動物中央研究所の検査項目を比較検討し、検査項目の標準化をはかった。今後、各団体への働きかけにより、我が国における実験動物の微生物学的品質について、一本化の可能性が確認できた。 2)国立大学動物実験施設協議会、日本ウイルス学会、日本細菌学会の関連指針、学術審議会がとりまとめた「大学等における病原微生物の安全管理マニュアル」の分類を参考にし、感染動物実験における病原微生物の安全度分類を行った。今後、資料集として、国公私立大学動物実験施設に配布する予定である。 3)上記の作業を行う中で、実験動物由来微生物の病原性評価が不十分であることが明らかとなった。生命科学研究に用いられる実験動物が、様々な遺伝子改変を受けることにより、病原微生物への感受性や病態において従来の評価と異なる事例が増加している。また、微生物自体の変異により、実験動物の新興・再興感染症の増加していることも踏まえ、今後、実験動物由来微生物の病原性の再評価を、組織的に行う必要性を確認し、次年度以降の発展的な研究課題について検討した。その結果、以下のような研究課題の必要性が確認された。 (1)遺伝子改変マウス等において特異病態を示す感染症の事例研究 (2)微生物感染による宿主遺伝子の発現修飾に関する研究 (3)国内での微生物汚染状況の疫学調査と診断技術の改良 (4)実験動物由来の新興・再興感染症の病因研究 (4)微生物検査の国際的ハーモナイゼーション
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