2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02008
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中野 俊一郎 神戸大学, 法学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Chinyen 神戸大学, 法学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際仲裁 / 国際私法 / 国際民事訴訟法 / 台湾 |
Research Abstract |
平成24年度は、研究初年度にあたり、共同研究者(王欽彦)の来日が9月に予定されていたことから、同人の来日後、研究計画の具体化に向けた打合せを行い、取り上げるべきトピックや資料調査の方法などを確認した。同時に、次年度以後に分析対象とする資料の選定作業を行い、24年度中に入手可能なものについては書店に発注し、納入を受けた。24年度分研究経費100,000円の使途は全てこれである。 以上のほか、中野は、仲裁手続と訴訟手続の競合規整問題について、West Tankers事件英国判決を中心として検討し、関西国際私法研究会及び国際民事執行・保全研究会において研究報告を行ったうえで、仲裁専門誌(JCAジャーナル)上で論文を公表した。このテーマは、2012年末に成立した国際裁判管轄・外国判決承認・執行に関する欧州規則(ブリュッセル1規則)の改正案の準備過程においても重要な問題となったことから、そこでの議論の展開課程についてもフォローしておく必要がある。これについては、次年度中に公刊予定である石川正先生の記念論文集に寄稿するべく、目下、論文の作成準備を進めているところである。 また、王は、台湾での原子力発電所の建設工事をめぐる国際仲裁事件で問題となった台湾仲裁法の手続的問題(執行手続と取消手続の連携不足、取消判決の既判力など)について検討し、2012年11月に開催された国際商取引学会において研究報告を行った。これについては、近日公刊予定の国際商取引学会年報に研究論文が掲載される予定である。このほか、王は、関西国際私法研究会、国際民事執行・保全研究会、国際家族法判例研究会にも参加し、広く研究上の人的ネットワークの構築にあたっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今のところ研究はほぼ計画通りに進捗しており、とくに支障は生じていない。もっとも、共同研究者である王の母親・姉の健康状態が思わしくなく(癌が悪化しているとのことである)、来年度については、臨時の帰国等により、研究に若干の遅れが出ることも懸念されないではない。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のような懸念はあるが、中野・王としては、来年度以後も、各種研究会・学会への参加及びそこでの研究報告を一つのペースメーカーとしながら、当初計画通りに研究を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)