2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 正義 東京大学, 大学院・経済学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HORN Theara 東京大学, 大学院・経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 効率性の計測手法 / 運営の効率性 / 最適規模 |
Research Abstract |
本年度の研究は以下の様に実施された. ・本研究の主要な分析手法である効率性の計測方法は,ここ数年,めまぐるしい発展を遂げている.その現状を十分に理解するために,特に,ノンパラメトリックな手法であるData Envdopmen tAnaiysisとパラメトリックな手法であるStochastic Frontier Analysisに関する諸研究を渉猟し,本研究に用いる分析手法を考察した. ・日本水道事業の効率性と最適規模に関する論文を作成した.従来、水道事業者運営の効率性分析について、水道事業者間に存在する水源の有無や給水人口の環境等の異質性をコントロールした分析は極めて困難とされていた。本研究では、このような問題を解決するために、1999年から2008年における日本の755の水道事業者のパネルデータを用いて,Greene(2005)が提案したTrue Fixed Effectモデルによって効率性推定を行った.この手法は,効率性の推定において,水道事業者の間に存在する観察されない異質性をコントロールできるという利点がある.推計の結果,事業の非効率性は平均的37%,最適な給水人口規模は1水道事業者あたり44,000人程度と推計された.現在の日本水道事業者の給水人口の規模はその最適な規模より小さいため,費用削減のために水道事業の合併が重要な選択肢として考えられる. ・この論文は公共経済セミナー(東洋大学),NPMセミナー(兵庫県立大学)および国際財政学会(International Institute of Public Finance)第68回大会(Dresden University of Technoiogy,ドレスデン)で報告した.それによって、他の研究者と海外の水道事業運営や分析の手法等について、意見や情報等を交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の通り,分析に必要な手法などを把握できた.また論文も順調に完成しつつあり,いくつかの会合で発表できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度にサーベイした手法を参考して政府歳出の効率性を計測する.さらに効率性の要因に関する分析も加えて,最終的な成果物としたい.
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Research Products
(3 results)