2014 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
落合 理 大阪大学, 理学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JHA Somnath 大阪大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 非可換岩澤理論 / 肥田理論 / Selmer群 |
Outline of Annual Research Achievements |
非可換岩澤理論においては, 様々な人々の努力によって岩澤主予想が定式化されている. より詳しくは, ある代数体K上のあるモチーフ及びガロア群Ga1(L/K)がp進Lie群となるある拡大L/Kが与えられたとき, 代数側では非可換岩澤代数のK群を使ったSelmer群の特性イデアルの非可換版が定義され, 解析側では非可換岩澤代数のK群の中のp進L函数の存在予想などが定式化されている. 解析側ではp進L函数の補間性質をみると対称変換に関する函数等式が成り立つであろうことが期待される. 解析的なp進L函数の構成は繊細で難しい問題なのでp進L函数の存在が示されていない場合も多いが, もし岩澤種予想が成り立つならば代数側のSelmer群に対しても対応する函数等式が成り立つはずである. Selmer群に対する函数等式は, 岩澤主予想の状況証拠にもなり, 技術的にも面白い問題である. 岩澤主予想を仮定せずにこれを示したい. 可換のときには現れなかったコントロール定理の誤差やK群の取り扱いの問題などいくつか細かい克服すべき課題がある. 今年度はL/Kがfalse Tate拡大の場合にほとんどの部分的な問題をクリアーした. 今までの部分的な証明の解決をまとめあげて最終的に函数等式の証明を書き上げることを目的とする. 論文としてまとめられる状況に近づきつつあり, 現在得られた結果のうち, 非可換代数のよいtwistを保証する最初の純代数的な部分を最初の論文としてまとめている最中である. その後, その論文の応用として函数等式を示す予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はJha氏の任期の終了時にある程度論文の作成に手がついていることを目指していた. 実質的な証明などの数学的な内容はおよそ目処が立ったが論文のTeXによる作成にまでは手がつけられなかった点で「やや遅れている」との判断に至った.
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Strategy for Future Research Activity |
およそ数学的な内容は目処がたったので, 現在は電子メールなどで連絡を取りながら論文を作成している最中である. なるべく早く完成することを目指したい. またその後の続きも期待される研究テーマであるため, 最初の論文が形になった暁には次の論文に至る続きのテーマに関する共同研究に着手したいと考えている.
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Research Products
(3 results)