2013 Fiscal Year Annual Research Report
高精度衛星データを用いた熱帯対流圏界面の変動特性に関する研究
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12F02025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津田 敏隆 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (30115886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEHTA Sanjay 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱帯域 / 対流圏界面 / 温度構造 / 経年変化 / GPS掩蔽 / 火山噴火 / 地球温暖化 / エルニーニョ |
Outline of Annual Research Achievements |
最近の研究から、熱帯の対流圏界面付近(UTLS: Upper Troposphere Lower Stratosphere)の温度構造に地球温暖化に起因する長期トレンドが現れていることが指摘された。ここで、微弱な長期トレンドのシグナルを精度よく検出するには他の変動要素の影響を予め除去する必要がある。これらには赤道域特有の擾乱現象として、積雲対流の不規則活動、赤道固有の大気波動(赤道ケルビン波など)、準2年周期変動(QBO: Quasi-Biennial Oscillation)、エルニーニョなどがあり、さらに火山噴火の影響も考慮する必要がある。 本研究では、定常気球観測データ、気象数値予報モデルを基にした再解析データ、及びGPS掩蔽データを活用して、熱帯のUTLSにおける温度構造の変動特性について、緯度・経度・高度、季節に対する統計解析を行った。その結果、QBO、エルニーニョ、及び線形トレンド成分を除去した温度データの中で、Soufriere HillとTavurvur火山噴火を起因とする温度変動を同定できた。その温度変化には緯度依存性があることがわかり、低緯度 (地理緯度:±30度)のUTLS付近で気温が約0.5度上昇していた。 これらの研究成果をSOMIRES2013国際シンポジウムで1件、SPARC国際会議(2014年1月12日~17日)において2件発表した。さらに、火山噴火の影響に関する論文を国際学術誌(JASTP)に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
熱帯域のUTLS領域における温度構造の変動特性について、火山噴火による影響、緯度・経度、高度および季節に関する統計解析を行い、その結果を2本の論文にまとめ、Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physicsに投稿した。そのうち、1本が受理され、残りの1本が現在査読中である。しかし、平成26年度中に成層圏突然昇温による影響、および中高緯度でのプラネタリ波の活動度との関連性について論文にまとめることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
UTLS付近の温度構造について、極域の成層圏において早春の時期に発生する突然昇温による影響、および中高緯度でのプラネタリー波の活動度との関連性についての解析を進め、そこで得られた新しい知見について論文にまとめる。
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Research Products
(8 results)