2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度・超短パルスレーザーを使ったコンパクト中性子源の理論シミュレーション研究
Project/Area Number |
12F02027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 匡且 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WENG S.-M. 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | クーロン爆発 / 小型中性子源 / 粒子シミュレーション / 理論モデル / Li-p核反応 |
Research Abstract |
クーロン爆発の「二種イオン成分を用いることによる単色化効率の増大」という着想を実用化に向け今後さらに発展させるため、実用(例えば医療用基礎研究)に必要な数MeV~数十MeVのイオンエネルギーが必要となり、そのためのレーザー強度は1O'20-10"21W/cm'2を超える。平成24年度に実施した成果としては、上記の粒子の運動が未開拓の相対論的領域に入ることが予想されることとクーロン爆発は球対称にイオンが加速されることを考慮して、生成イオンの利用効率を高めるための定量解析を進めた。研究組織は本研究代表者(村上:理論&総括)と研究分担者(Weng)から成るが、Wengが非相対論域の現象として発案・予測された2種イオンによる単色化現象に関する詳細な粒子シミュレーションを行なった。研究代表者(村上)は、理論の適用領域を相対論領域に拡張するとともに主要物理量に対する比例則を確立すべく理論モデルの骨格を構築した。特に、昨年度の共同研究では、超高強度レーザーと最適ナノ構造クラスターとの相互作用を3次元の粒子シミュレーションによって解析し、クラスターの初期密度、初期半径、混合比といったパラメーターが、最終的なイオンエネルギーのスペクトルにどう影響を与えるか、といった評価を行い定量的に最適構造を決定した。さらに、研究分担者(Weng)がこれまで重点的に理論シミュレーション研究を進めてきた円偏光の効果に関して、レーザーと物質との相互作用に及ぼす影響を詳細に調査した。こうして、ターゲット構造とレーザーの照射条件を様々に変えて、等エネルギーイオンの効率的生成に関する物理モデルを構築するとともにシミュレーションによる定量評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来の研究計画に沿って、今後は、中性子発生数の定量的評価と、各パラメータ依存性の非礼則を確定し、最適設計を行なう。
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Strategy for Future Research Activity |
当初目標の物理モデルの構築並びにシミュレーションによるデータベース構築は順調に進んでいる。
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Research Products
(1 results)