2013 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識技術を用いた埋立廃棄物中レアメタルに対する新規回収法の開発
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12F02029
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 浩 金沢大学, 物質化学系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Ismail Md. Mofizur 金沢大学, 物質化学系, 外国人特別研究員
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Keywords | レアメタル / 超分子型固相抽出剤 / 廃棄物 / キレート抽出 / 生分解性キレート剤 / リサイクル技術 / 化学的分画法 |
Research Abstract |
廃棄物中レアメタルの回収を目的に、イミノジ酢酸系キレート剤の各種水溶性キレート剤により有用金属を選択的に抽出する技術開発を進め、キレート抽出処理では水抽出と比較してレアメタル類の抽出量が著しく増加することを明らかにした。今年度は、固体廃棄物中のIn, Cu, Pb, Cd, Znの分離に対してEDDS, GLDA, HIDSの適用が有効であることが分かった。上記の溶出挙動を理論的に説明するために、水溶液中における錯体の生成平衡から金属イオンのスペシエーション分布を基礎的に解析し、キレート洗浄の抽出効果は水溶性キレート錯体の安定度定数に比例すること、その程度はpH、金属種に依存することを示した。更に、逐次抽出に基づく化学的分画法により廃棄物試料中金属を存在状態別に解析し、キレート抽出法で回収されたのは主に交換態及び還元態画分であることを報告した。 一方、従来のイオン交換やキレート作用に基づく固相抽出材では、キレート剤存在下における金属イオンの捕集は困難である。本研究では超分子作用に基づく分子認識技術に着目し、各種金属に対する抽出挙動を求めた。一連の検討の中で、超分子型固相抽出材の特徴である多点相互作用により金属イオンが強く捕捉されることを利用して、大過剰のキレート配位子存在下における金属イオンの定量的な抽出分離を報告した。また、ITOエッチング廃液に対する検討を進め、超分子型固相抽出材を適用するとワンステップでInとSnの相互分離が可能であることを見いだした。鉛廃液に対する検討では、廃水中からの鉛分離に加えて、4-(2-pyridylazo)-resorcinolとの錯形成を利用した簡易定量法を開発した。更に、超分子作用に基づく高い分子認識能を利用して、共存イオンを多量に含む環境試料より、Cd, Pb, Ni等を高選択的に分離除去できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の想定よりも研究の進度が順調に進み、研究課題に関する成果論文を国際誌に多数報告できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回が修了年度であるため研究計画についての変更・問題点はないが、当該外国人研究員と受入研究者は今後も本課題に関して国際的な共同研究を続ける予定である。本研究の実施には産学の連携が有効であったことから、今後の発展に向けて産学連携も深める。
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Research Products
(10 results)