2012 Fiscal Year Annual Research Report
siRNA送達用リガンド搭載ナノ粒子の調製とがん治療に向けたリガンド構造最適化
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12F02051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Ming 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ドラックデリバリー / ナノ材料 / がん |
Research Abstract |
本研究では、近年著しい成長を遂げているドラックデリバリーシステム(DDS)の中にあって、リガンド分子を搭載する制がん剤内包高分子型ミセルを用いたDDSを開発することで、リガンド分子搭載DDS医薬の制がん効果、すなわちミセルの組織浸透性や細胞内取込に関して、粒径、リガンドの種類および密度が受容体による認識や細胞内取込の経路に与える効果にについて検証する。これらの検討を通じて、リガンドなしの高分子ミセルによるDDS(従来型のDDS)では達成不可能であった高いがん選択性、集積性をもつ次世代型のDDsを開発することが本研究の目的である。平成24年度は、環状RGDペプチドやiRGDペプチドなどのリガンドを搭載した高分子ミセルの合成について検討するために、まず、材料となる末端修飾PEGの合成を行った。得られたPEGをマクロ開始剤としたポリアミノ酸を重合し、制御されたブロックコポリマーの最適な合成条件を見出した。これらのポリマーをプラチナ制がん剤と反応させることで、粒径が30nmの球状ミセルが調整できることを確認した。今後、機能評価および生物活性評価において得られた結果をフィードバックすることによって、リガンド搭載高分子ミセルの最適化を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに化学合成全般を終了し、順調に細胞実験に移行できている。期間内にて動物を用いた実験を行い、ミセルの抗腫瘍効果について明らかにできる見通しが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
治療抵抗性を示すがん細胞(CD44v過剰発現OCS-19)などに対する細胞毒性試験を試みた後、最も効果が期待できるがん細胞を用いてマウス皮下移植モデルを作成し、in vivoでの抗腫瘍効果について検討する予定である。
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