2013 Fiscal Year Annual Research Report
熱処理の導入による下水汚泥と生ごみの混合メタン発酵の効率化
Project/Area Number |
12F02053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 玉友 東北大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QIQO Wei 東北大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 再生エネルギー / バイオマス / メタン発酵 / バイオガス / 余剰汚泥 / 食品廃棄物 / 膜分離 / コーヒーかす |
Research Abstract |
本研究は、嫌気性微生物による分解作用を利用することによって下水汚泥と食品廃棄物などの廃棄物系バイオマスからバイオガスを効率よく回収するバイオマス利活用・再生エネルギー生産のための技術開発である。具体的には、嫌気性分解の促進方法として膜分離型反応槽と前処理を導入し、その最適な操作条件およびその装置化を検討したとともに、余剰汚泥と食品廃棄物の混合メタン発酵特性を解析することである。平成25年度の主な成果は次の通りである。 (1)回分実験による様々な食品廃棄物のメタン生成ポテンシャルの把握、 食品工場で発生する乳製品液, コーヒーかす, コーヒー液, 余剰活性汚泥のCOD分解率が確それぞれ83.3%、74.3%、57.3%、32.3%であった。混合基質の分解率は71.3%、メタン生成ポテンシャルは260mLCH4/g-CODが確認された。またコーヒーかすの破砕の有無は反応速度に影響を与えるが、メタン生成ポテンシャルには大きな影響を与えないことが分かった。 (2)CSTR型反応槽および膜分離メタン発酵法を用いた混合発酵の連続実験、 混合基質を用いてHRT30日から8,5日まで変化させることによって、COD容積負荷を4,8, 12,14g/L/dで連続実験を行った結果、COD容積負荷8g/L/dで安定運転が実現できて、COD除去率は58%と比較的に高かった。バイオガスの発生倍率は投入原料容積の40倍で、メタン含有率は60-65%であった。それ以上負荷を向上させると、VFAの蓄積とpHの低下が確認された。 (3)混合発酵による促進効果および全体システムの総合評価 運転が安定していたHRT15日のデータを元にケーススタディを行った。食品メーカー工場から排出される廃棄物量を10トン/日としてメタン発酵させると、262m3/日のメタンガスが得られ、これを都市ガスに換算すると231m3/日で一般家庭の249世帯分の一日あたりのガス使用量相当となった。混合基質はTSベースで56%減容化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の第1の目的は、嫌気性微生物による分解作用を利用することによって下水汚泥と食品廃棄物などの廃棄物系バイオマスからバイオガスを効率よく回収するバイオマス利活用・再生エネルギー生産のための技術を開発することである。研究では食品廃棄物の代表としてコーヒーかすを、また下水汚泥の代表として余剰汚泥を選び、回分実験と連続実験を実施し、重要な成果を出すことができた。また、ケーススタディを通して、本技術によるエネルギー回収および減量化効果を明らかにした。全体として当初計画以上に成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
食品廃棄物と汚泥の混合メタン発酵にっいてシステム設計に使える知見と設計データを得ることができた。これらの成果を活かすため、今後は食品工場での実用化を図る予定である。
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Research Products
(6 results)