2012 Fiscal Year Annual Research Report
動作・キャリア輸送機構の解明による高性能有機デバイスの研究開発
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12F02065
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岡田 裕之 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 照奎 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 外国人特別研究員
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Keywords | 有機デバイス / キャリヤの注入と伝導 / 金属/有機界面の接触 / デバイス動作機構 |
Research Abstract |
自己整合技術を用いた有機デバイス試作を中心として、自己整合技術または作製プロセスの検討、キャリヤの注入と伝導、金属/有機界面の接触、有機/有機界面のアライメントなどのデバイス動作機構を解明することで、実用に資する自己整合高性能有機デバイスを得られることを目指す。 (1)MoO_3ドープしたペンタセンバッファ・電荷分離層を持つ有機太陽電池 MoO_3にp形半導体ペンタセン(Pentacene)をドープした陽極バッファ・マルチヘテロ電荷分離層を用い、Pentacene/C_<60>有機太陽電池を試作・評価したので報告した。陽極バッファ層とマルチヘテロ電荷分離層両方用いた素子で、開放電圧(V_<oc>)と短絡電流(J_<sc>)の増加が見られ、2.29%の変換効率を得た。MoO_3ドーピングによるPentaceneの伝導性の改善、Pentacene/C_<60>界面とITO/Pentacene界面でのエネルギーレベルのアライメントによるものと考えている。 (2)酸化物半導体による電荷注入を改善したペンタセン薄膜トランジスタ トランジスタ特性の制御の観点からはドーピング技術が注目され、電荷注入の点からも酸化モリブデン(MoO_3)を電荷注入層とした有機トランジスタ(OTFT)の報告が成されている。我々は、酸化ゲルマニウム(GeO)を電荷注入層としたペンタセン(Pentacene)OTFTを試作した。GeOがありOTFTで、移動度μは0.96cm^2/Vs、しきい電圧V_Tは-4Vと、参照デバイスと比べ特性改善された。I_D-V_D特性の温度依存性より電荷注入バリア高さを評価された。Au/GeO/Pentacene界面でのバリア高さは、無GeO素子で0.12eVに対し、0.01eVと低減した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
いままで、研究実施計画に照らし、金属酸化物(MoO_3、GeO)の使用または有機物をドープされることで、電荷界面層として、有機太陽電池や有機トランジスタ素子の特性が明らかに改善されました。
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Strategy for Future Research Activity |
これから、金属酸化物(MoO_3、GeO)の電荷界面層としての作用、または有機物ドーピングの機構の深い理解のため、I-V特性で界面の評価、有機材料のエネルギーレベルの測定、分光分析法などの有機半導体のデバイス物性研究を行います。
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Research Products
(3 results)