Research Abstract |
地下熱エネルギーを評価するために,気候と土地利用,人間活動を取り組んだ水と熱の移動を地表面と地下についてモデル化し,温暖化と都市化,経済活動による地下水温の上昇の影響を定量的に判断し,将来予測することを最終目標とする本年度は大きく,(1)水文+熱輸送モデルの作成,(2)現地観測データの収集,の2つを実施した.これらの作業の試験地域として秋田,仙台,山形,東京都市圏,中京都市圏,福岡の6地域取り上げた.モデルは,数値地図情報を基礎データとし,GCM(大気循環モデル)の出力データをもとに構築され,観測された地下水温データによって各種のパラメータの設定が行われた. (1)のモデル作成は2つの部分からなる.1つは陸域の地下浸透量を計算する地表面水収支モデル(水文モデル)である.これは土地利用と土質または地質データから降雨を蒸発散,浸透,表面流出に分配するものである.2つめは熱輸送モデルであり,熱の輸送を移流拡散式から推定する.これらのモデルの統合により,地下水温を時空間で導くことが可能となった.(2)として,モデルの検証のために上記6地域の地下水温データを収集した.広域へのモデル適用を睨んで,より広範な地下水温データの収集を行った.GCMの複数モデルと複数シナリオのCMIP5からのデータ収集をはかり,今後の不確実性評価に備えた. プロジェクト途中において,切り上げることになったが,今後もこれらのデータ,解析ツールを用いて成果を出す予定である.
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