2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿尻 雅文 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DANIEL C OLIVEIRA 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノ粒子合成 / モータータンパク質 / エネルギー変換システム |
Research Abstract |
本研究は、キネシンという運動性バイオ分子のエネルギー変換機能を利用することによって、二酸化炭素を排出させずにバイオエネルギー分子から電気エネルギーを生産するMEMSデバイスを作製するものである。 キネシンは、生体中にある高エネルギー化合物の化学エネルギーを運動エネルギーに変換することによって、チューブリンが作る微小管表面を滑走する蛋白質である。本研究では、キネシンに磁性ナノ粒子を合成させ、磁性という物理特性を付与させ、その磁性キネシンをMEMS技術で環状化した微小管表面で滑走させるシステムを構築することによって、キネシンの運動エネルギーを電気エネルギーに変換できるナノ発電タービンの開発を行う。 具体的には、まず超臨界場を利用したナノ粒子合成法により、表面に様々なバイオ分子を呈示できる磁性ナノ粒子を合成した。バッチリアクターを用いて、硝酸鉄と蟻酸を原料としてマグネタイト粒子を合成し、ジカルボン酸を有機修飾剤として用いることで表面に様々なバイオ分子を呈示することに成功した。このナノ粒子上にチューブリンを結合し、キネシンを接触させることで、チューブリン上をキネシンに移動させることを試みた。しかし、ナノ粒子とチューブリンを結合させることには成功したが、チューブリンと結合したナノ粒子は、キネシン上で円形に動くことは確認できなかった。マグネタイトを結合したチューブリンが移動することで、起電力が生じると考えられるが、今回は確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超臨界場を利用することでFe3O4ナノ粒子を合成し、さらに表面に様々なバイオ分子を提示して様々なキネシンと複合化することに成功したが、ナノ粒子は円形の動きを示さなかった。これは、微小管が円形状に整列させることができなかったためと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、個々の構成要素の再検討を行うと共に、ナノ粒子結合キネシンがチューブリン上を動くという構成を変えることで上記の目標の達成を目指す。その実現のため、様々な組換キネシンを調整できる梅津准教授(東北大工)の協力を得て、磁性ナノ粒子を結合したキネシンを合成し、これを環状化微小管上で周回滑走させて発電を行うシステムを構築する。
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