2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北島 健 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHITAK Thanyaluck 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 糖 / シアル酸 / 硫酸化 / 代謝 / 硫酸化シアル酸 |
Research Abstract |
シアル酸の硫酸化修飾の脊椎動物における重要性を解明することを目的として、本研究では、(1)シアル酸の硫酸化修飾に関わる2つの酵素、シアル酸-O-硫酸転移酵素(SULT)とシアル酸-O-硫酸エステラーゼ(SULE)の同定、および、(2)哺乳類を含む脊椎動物における硫酸化シアル酸の生物学的機能の解明を遂行している。(1)シアル酸の硫酸化修飾に関わる2つの酵素SULTとSULEの同定について:今年度は、SULTのクローニングと性質解明について、まず、硫酸化シアル酸の発現が高いウニのゲノムデータベース上の候補遺伝子を大腸菌中で発現させ、受容体基質として種々のシアロ化合物を用いて酵素活性測定した。しかし、これまでにシアル酸を基質にする活性は見出されていない。 そこで項目(2)での成果をもとに、硫酸化シアル酸に対する抗体を利用するパニング法での発現クローニングを開始した。硫酸化シアル酸を発現しない細胞について、マウスcDNAライブラリーを遺伝子導入して、硫酸化シアル酸を発現する細胞を現在スクリーニングしている。 (2)シアル酸硫酸化の機能解明:(i)マウス、ヒト組織における硫酸化シアル酸の存在分布の解明:我々が開発した硫酸化シアル酸を認識するモノクローナル抗体3G9および2C4を用いて、マウスとヒトの組織切片を免疫化学的に検索した結果、様々な組織片や細胞において存在することが明らかになった。確実性の高い検出法として、脱硫酸化酵素処理の利用する方法は現在開発中である。(ii)動物レベルでの機能解析については、遺伝子が特定されておらず開始していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
硫酸化転移酵素のクローニングは、これまで誰も成功していないことから、困難さは予測している。ホモロジーからクローニングする方法とともに、発現クローニングを開始しており、現在、予備的ではあるが興味深い遺伝子が同定されつつある。機能解析につながる成果としては、哺乳類における硫酸化シアル酸の広い分布を初めて明らかにすることができ、この成果は発表準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的推進方策には変更はない。すでに述べたように、ホモロジーからクローニングする方法に加えて、発現クローニングを開始したが、この方法の変更は想定していたことである。硫酸化転移酵素と脱硫酸化酵素の遺伝子の特定を達成したいと考えている。
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Research Products
(1 results)