2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02103
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FERREIRA P.e. 長崎大学, 熱帯医学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Keywords | マラリア / カルシウム / 粗面小胞体 |
Research Abstract |
熱帯・亜熱帯地域で重大な問題となっているマラリアのカルシウムシグナルは抗マラリア薬の標的となると考えられるが、本原虫におけるカルシウム動態については不明な点が多い。そのため、カルシウム・センサー蛍光タンパク質を用いて種々のマラリア原虫細胞内小器官をラベルし、ライブイメージングにて種々の外界刺激に対する応答を観察できる系を構築し、それを利用して、種々の薬剤に対するカルシウムシグナル応答を評価する実験を行うこととした。哺乳類細胞で細胞内カルシウムを上昇させることが知られている種々の薬剤を検討した結果、マラリア原虫の細胞内カルシウムは、カルシウム・イオノフォアのA21817と筋小胞体カルシウムATPアーゼ(SERCA)阻害剤であるシクロピアゾン酸と2,5-ジ-tert-ブチル-1,4-ベンゾハイドロキノン(BHQ)では上昇が検出されたものの、タプシガルギンとATPでは上昇が検出できないことが分かった。マラリア原虫は感染赤血球内では、寄生胞膜と呼ばれる原虫により新たに作製された膜構造の中で発育しているため、細胞外に存在するカルシウムの影響を除外する目的で、赤血球や寄生胞膜内を各種界面活性剤で処理した後に、各種薬剤によるカルシウムシグナル検出実験を繰り返した結果、熱帯熱マラリア原虫の主要なカルシウム貯蔵庫は粗面小胞体であることが分かった。粗面小胞体にYC-nano50を発現する原虫による解析により、哺乳類SERCAに対する阻害剤はマラリア原虫においても粗面小胞体に局在するSERCAを標的として、カルシウム取り込みを阻害していることを強く支持した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)